第3話 道中、冒険者ギルド
「ねえねえ、琴葉琴葉!」
冒険者ギルドに向かう途中、空音は何故かとても嬉しそうだった。
「どうしたの?」
「こういう村人に話を聞いて目的地に行くのって、本当にゲームに入り込んだみたいで興奮するね!」
何かと思えばまたこんな事を言い出した。
「みたいじゃなくて本当に入り込んだんでしょ?あのゲームの噂が本当ならだけど。それに興奮してる場合じゃないし……」
「もー!琴葉はテンション低いよー!もっと気楽に考えよ!ポジティブシンキングー!!」
……空音はポジティブというかあたおかのレベルだと思う。
「ねえねえ、私たちもしかして、チート能力とか手に入れちゃってたりしてるのかなー!?割っちゃう?ステータス測る水晶とか割っちゃう!?」
「異世界転生とかじゃないんだから無いでしょ。ここはあくまでゲームの世界なんだよ?それにこっちに来た時になんにも……」
……すっかり忘れてたけど、目覚めた時に聞こえたあの声は何だったんだろう。
「ん?どしたの?」
「ううん、何でもない!それより、あれじゃない?冒険者ギルドって」
「んー? おっおっおおおーー!!!」
「声でっか」
「まさに!まさにあれだよ!The・ギルドってかんじ!」
「はあ……本当にゲームの世界なんだなあ」
「今更なに言ってんの!早く行こ! 早く!早く!」
「全くもう、子供みたいなんだから」
こうして私は、これからの未来に頭を悩ませながら冒険者ギルドへと入っていった。
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