第4話 「来たよ。」
「平塚ー。来たよー。」
「やっと来たか。手土産は?」
「ポテチ持ってきた。」
よし入れ、と家に招かれた葵。
別段久しぶりに家に来たわけではないがテンションが上がっている。なぜなら今日は遊びに来たわけではないからだ。そう、お泊りの予定である。
「今日の飯は期待してるぞ。」
「ハンバーグを作れる素材があると聞いているよ。」
「よし。お茶を入れてやろう。」
「一番いいのを頼むよ。」
はっはっは。と言って葵はコップの麦茶を飲み干した。
家のモノとは違うが、既に何度も飲んでいる味。
清木の方は、ダラダラと漫画を読んでいる。
「いつぶりだろうね?」
「お前が泊まりに来るのがか?」
「そうそう。家は隣だから良く遊んでいるけれど、泊まるのは久しぶりだろう?」
「中学校の時は無かったから……小学生以来だな。」
「もうそんなかぁ。」
これまでの生活で、二人が離れたことはほとんどない。
そう。寝るとき以外は。
「あ、今日お前どうする?」
「え?」
「いや、寝る場所。」
「もちろん、そのベットで一緒に寝るつもりだけど。」
「え?」
「え?」
「いやいや、俺床で寝るよ。」
「なんでだい?小学校の時は一緒に寝てたじゃないか。」
「精神が小学生で止まってんのか?……俺らも高校生だからな?流石に常識のある接し方をしなければならない。そうだろ?」
「……じゃあ小学生でいい。」
「何言ってんだお前。」
「じゃあ小学生でいいもん!」
「もん!?」
「せっかくまた一緒に寝れるかなって思ってのに……」
「またこのパターンか!泣くな泣くな……ハイよしよしよし、頭も撫でたるぞぉよしよし。戻ってくれんとお前の美味しいハンバーグが食べれんからな。」
「……私のハンバーグ食べたい?」
「ああ食べたいとも。お前のハンバーグが世界一うまいからな。うん。」
「……じゃあ、毎日作ってあげるね!」
「重い、流石に毎日は重い。」
「よし。今日のご飯は期待してほしい。」
「お、戻ったか。」
「だけど、一緒に寝るのは曲げないよ。」
「戻ってなかったか……だが、今晩の飯は守られた感じだな。」
「さて!私はそろそろ作るとするよ……君のためのハンバーグをね!」
「俺も手伝う……って、もう行っちまった。さて、」
どうやって一緒に睡眠エンドを回避したもんかな。
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