第4話 今日も変わらない高校生活



『ジリリリリリリリリリ・・・』

 もう朝か。ねみぃ。

 重いまぶたを無理やり開き、体を起こす。

 学校だるいな。けどなんだかんだで休んでも暇だからいくけどな。



 2階にある俺の部屋から階段を下り、リビングへと向かう。



『おはよ、優希』



 俺が愛する母 のぞみが俺に向かって言う。



「うん、おはよう」



 毎朝している会話であるのでなんの新鮮味もない。これが普通だ。普通が一番。普通がNo. 1





 うちは、父が出張しているため普段家にいない。年に3回ぐらい帰ってくるが、俺は父がもう一人の愛人の所へ行っているのだと勝手に思っている。冗談だが。




 今日は何を食べようかなぁ〜

 朝ごはんだけは、自分で毎日用意している。母に昼食の弁当と夕食まで作ってもらっているのに朝食も作ってもらうのは気が引ける。というか、小さな頃から朝食は自分で作っている。まぁトーストしたパンと牛乳をほぼ毎日食べているがな。だが、たまに昨日買ったメロンパンやクリームパンなどの菓子パンが食べたくなる。あぁ〜メロンパン食いたくなってきたな。アイツに渡さなきゃよかったな。

 そう心の中で後悔しながらパンと牛乳を口に運ぶ。





 朝食を食べた後これまたいつも変わらない歯磨き、洗顔などの行動をこなし、学校の準備を始める。宿題やってなかったな。後で陽介にうつさせてもらうか。やっている可能性は低いが。準備を終わらせ、玄関へと向かう。




「それじゃあ、いってくるわ」




『事故に気をつけてね、いってらっしゃい』



 母に見送られ、学校へと続く道を歩いてゆく。

 愛してるぞ、マイマザァー!





 俺の未来の彼女がもちろん・・・落ちていない道を歩き、通っている高校の校門が見えてくる。今日も学校が始まってしまう。もう戻れない。あー帰りて。



『よっ、優希。今日も退屈そうな顔してんなぁ』



 おいおいなんでコイツこんな元気なんだよ。まだ8時15分だぞ。土日ならまだ眠ってる時間だぞ。もう一回言うけどなんでコイツこんな元気なんだよ。




「あぁ、陽介。おはよう。今日も元気だなぁ、お前。少しでいいからお前の元気をオラに分けてくれ」



『優希、お前いつ界王様に会ったんだよ。もし会ったなら、今度会わせてくれ。界王拳教えてもらうから』



 界王様に会ってるわけないだろ。死んだことないし、それにヤムチャより弱いと思うし。どうせ死んだら閻魔様のところへ直行だろうな。



 そんなたわいもない、どーでもいい話を俺たちが属するクラス1年3組に入ってからも俺たちは続ける。


「なぁなぁ、数学の宿題やったか?やってんなら写させてくんねえかな。ジュース奢るから」



『やってねえぞ。俺もお前のを写すつもりだったからな』



 ほらっ、やっぱりやってなかった。一抹の希望にかけた俺がバカだった。そういえばコイツ、バカだったな。



「そうか。じゃあやるか。お前もやれよ。俺のは絶対写させねえぞ」



『よしやるか。・・・・・・なぁ、優希、この問題教えて』

 

 コイツ、バカだ。







 宿題を終わらせると、SHRを告げるチャイムと共に教師が教室に入ってきた。陽介はまだおわってないようだが。




『はーい、SHR始めるよー。日直、ごうれーい』



 やる気のない教師の声でSHRは始まる。やる気がある体育会教師よりかはましだ。たしか、1年1組は体育教師が担任だったと思う。ご愁傷様だ、南無南無。




 教師はそのまま今日の連絡事項を話す。うちの教師は必要なことしか話さなくて、すぐSHRが終わるから助かる。といっても、この後は掃除をしなければならない。うちの高校は朝に全校生徒で掃除を行い、そのあと授業が始まると言った具合だ。掃除、ルンバがやってくんねぇかな。今日は月初めなので、掃除場所が昨日とは変わる。前は教室で移動しなくて楽だったんだけどな。今回は音楽室だったよな、音楽室は1年3組がある中央館にはなく南館にある。これから毎日移動するのは大変だな。

 そんなことを考えながら、同じ班の陽介と一緒に音楽室へと向かう。




『はーい、掃除始めまーす。気をつけ、礼』




 音楽室の掃除は同じクラスの2班でやっている。自分達の班とどこの班だろうか。まぁ、そんなことはどうでもいい。

 よーし、ほうきをとりにいって、今日もなんとなく掃除をこなすぞー。



「あれっ、男子Bじゃない」




 えっ、なんで女子Bがいるの?

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