第6話 目撃
リリコはコウタとの約束の日を楽しみに日々を過ごしていた。
あと2週間後ね。
職場に飾ってあるカレンダーを毎日眺めながら周りに気づかれないように
一人で笑みを浮かべる。
『あれ~リリコ~何かいいことあった?』
10歳年上の先輩さおりさんだ。
すごく円満な家庭を築いていてリリコの憧れでもある。
『わかりますか?』
さおりはリリコと付き合いが長くすぐ変化に気づくのである。
リリコはコウタとの出会いから話をしてみた。
『そういう出会いがリリコにあったなんて嬉しいかも~。
そうだ、最近洋服買ったりお洒落してるの?』
さおりは嬉しそうな表情を浮かべながら聞いてくる。
『最近忙しかったからショッピングもできてなかったです。
今日帰りに行ってみようかな。』
リリコは休日前ということもあり帰りに近くのデパートに行くことにした。
最近ワンピースとか着てなかったな~。
6階か~エスカレーターで行こうかしら。
エスカレーターへ歩いているその時である。
前にコウタがいたのだ。
コウタは背が高いからすぐにわかる。
話かけてもいいかしら。
人混みをかき分けながらリリコは急いでコウタのところへ歩いていく。
ん?
コウタの隣には女性がいたのだ。
2人は楽しそうに会話をしながら歩いている。
背の高いコウタを見上げる女性の目が女の目をしている事にリリコは
すぐに気づいた。
リリコよりも10歳ぐらい若く見えた。
リリコの頭には白旗が上がった。
ワンピースを買いにきたことも忘れコウタにバレないように帰宅した。
その日見上げた空は星が一つもない暗い夜空であった。
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