第9話

長男を職場に連れ出した。はじめてのバイトだ。親がお膳立てをするのも過保護か?と思いつつ、人が足りないらしいので連れ出すことに。


年に数回しか降らないのに初出勤が雪だ。同じ職場とはいえ、別々の仕事。時々聞こえる彼の声が楽しそうで何より。バイトの先輩と和気あいあいとしている。少しテンションが高めなのは彼なりのコミニケーションだろう。


『誰か重いの持って〜』

声がすると彼と彼のパートナーが現れる。頑張りすぎるのも疲れるぞ!と、そんな姿を垣間見ながらほくそ笑む。彼の武器は『素直』だなぁと再度確認する。“誰か”に数秒間があるが、結局は行くのだ。職場では可愛がられるだろう。そして世間を知らないのも露呈されるだろう。そこも可愛がられるはずだ。


休憩時間、和室の休憩室を覗くと若人たちが屯している。スマホで麻雀する我が子。後で先輩バイトくんに『金だけはかけるなよ!』と注意しときました。と報告を受ける。しかし普通はお金をかけるから楽しいのに何が楽しんや?と先輩バイトくんは漏らしていた。うん。私もそう思う。今彼は10時間でもやっていれるほどハマっているのだ。このバイト代が麻雀で消えないことを願う。


先輩バイトくんが息子のことを色々教えてくれる。報告か?話題がないからか?他人に育ててもらうのでそんな報告いいよ?と思いつつ、我が子の話を聞くのは嫌いじゃない。子育ての矛盾である。


とりあえず半分の日程が終わった。あと数日で短期バイト終了である。このまま無事に一年が終わることを願う。緊急的な仕事と通常の仕事では人間関係も仕事内容も違う。色々経験してもらいたいと願う。パートさんに土日に仕事しないか?と勧誘されていた。ごめん、ちょっと色んな理由で母は許可できない。


さー、今年もあと数日。家を片付けしなきゃいけないのに、ここに文章を書いる。あと1日分書いたら掃除するぞ!と、思いながら。

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