第10話 冬

 冬が好きだった。最近は調子が悪いので冬が苦手になりつつある。どうしてこんなに調子が悪いのだろうか。素人的には日の短さと寒さが怪しいと思う。

 私は起きるのが昼過ぎだ。そうなると日の入りまで本当にあっという間だ。日の光を浴びないとなんだか気が滅入る。それに日の入りが早いと洗濯物が乾かない。昼過ぎに起きて洗濯を回すと干す頃には太陽はだいぶ傾いている。こんな具合に1日が上手く回らないのだ。

 食欲もおかしい。日中は全然お腹が空かない。食べなくても平気だ。それなのに夜は急にお腹が空いて夕食と夜食を食べてしまう。アイスとビールもめちゃくちゃ体が欲する。

 やる気に関して。執筆や家事は気合いが必要で外に出るのはかなり気合いがいるというのが現状だ。本当は日中に散歩でもしたい。しかし早寝も早起きもできないのでなかなか難しい。

 しかし寒さ対策は抜かりがない。家の中ではノースリーブタイプのスリーパーを着ている。首からお尻まですっぽり覆ってくれる。手には指先の空いた薄い手袋。足にはレッグウォーマーとルームソックス。まあそれでも寒いのだが。こたつのおかげでなんとかなっているのが現状だ。

 上手くいかないなと感じることばかりだが、嬉しいこともある。冬至が過ぎた。これからは少しずつ日がのびていく。

 冬至は風水的に『陰が極まり再び陽にかえる』と言われる縁起の良い日らしい。冬至を機に運気が切り替わり全てが上昇運に転じるそうだ。今は好調とはほど遠い私だが、ここを境に少しずつ好調に近づいていけるのかもしれない。

 望みを託してゆずを湯に浮かべた。

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