始業式、崇める場、自称信者はトチ狂う1

 始業式。学年、クラス問わず名前の順に並ぶことになっているが、バレやしないだろうと新藤の後ろに俺は座る。


 この程度のことでいちいち文句言ってくる奴はいない。なんなら俺と同じ動きをしているのだっている。


 やたら寒い体育館内。ストーブが複数設置されているとはいえ、広い空間全体を温めてくれるわけなく、俺は小刻みに体を揺らす。


 壇上に上がっていくのは名字を知らない校長先生。これからありがたい言葉を長ったらしく語るつもりだろう。


 普段だったらスヤスヤと眠っているところだが、今日はそれができない。俺がすべきことは新藤の誤解を解く、だ。


「おい、新藤」


 俺は新藤の背中を指でチョンチョンと突く。


 すると新藤は顔だけを振り返らせ、仏のような表情を俺に見せた。


「どうして奏多君がここにいるんだい? 君はもっと後ろの方だろ?」


「んな細かいこと気にすんなよ」


「そうか、俺は細かすぎる男なのか。だからモテないのか……いやいや、モテモテの奏多君が言うと説得力があるね。ははは」


 乾いた笑い声を漏らす新藤だが、目はまったく笑っていない。その上、会話も成立していないときたもんだから困ってしまう。


「なあ新藤、頼むから俺の話をちゃんと聞いてくれないか?」


「私語は厳禁だよ。校長先生が俺達生徒に愛ある言葉を送ってくれている真っ最中なんだから」


「いや、だからいいってそういうの。つかなんで優等生ぶってんの?」


「あ、ほらほら見て、奏多君! 校長先生が神々しく光り輝いているよ! 後光が差しちゃってるよ! いや、あれは校長先生が後光を発していると形容した方がいいかもしれない! やはり校長先生は神様に匹敵する存在だったんだ!」


「ちげーよ馬鹿ッ! あれは髪がないから後光を発してるだけであって神様とかじゃないから。髪がない様なだけだから――ってそうじゃなくてだなッ! 校長の下らない話よりもまず俺の話を聞いてくれよ!」


「下らないとは聞き捨てならないな奏多君! 俺は校長先生を崇拝すうはいしている信者の一人なんだ! 見てよ、あの頭頂部の輝きを! 溢れ出るエナジーを! 思わず撫で回したくなるあのフォルムをさ!」


「溢れ出てはないだろ、むしろ死んでるだろ、死んでるから輝いてんだろ。てか、崇拝してるとか仰ってましたけど、お前も大概だからね? 絶対馬鹿にしてるよね?」


「――ちょっと、あなた達うるさい。静かにしなさいよ」


 どうやら騒ぎすぎてしまったようで、お隣さんから注意を受けてしまう。


「悪い悪い、ちょっと新藤が頭おかしくて――って、小鳥遊ッ⁉」


 お隣さんは小鳥遊だった。彼女は迷惑そうな顔して俺を睨みつけている。


 新藤のことばかり気に取られていて、周りを全然見てなかった……まあ、小鳥遊が隣だからってなにかあるわけじゃないんだけども。少しばかりやり辛い……現にこうして注意されちまってるわけだし。


「ごめんね小鳥遊。俺もちょうど奏多君が鬱陶うっとうしいなって思ってたところなんだよ。羽崎に好かれて浮かれてるのが丸わかり……嫌になっちゃうよ、まったく」


 やれやれと溜息をつき、前を向いてしまう新藤。結局、風邪引いた時の夢のようなやり取りのみで、骨折り損のくたびれ儲けもいいとこだ。


「……ねえ、新藤」


 脇腹をつつかれる感覚。チラと横を見れば小鳥遊の不安そうな顔。


「う、うん…………あのさ、羽崎さんと付き合ってるって、ほんとなの?」


 お前もかいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッ!





――――――――――――

どうも、深谷花びら大回転です。


皆さん、前回の件について色々コメントを送っていただきありがとうございます。


どれも素敵な案だったのでどれにしようか非常に悩みました。結果、すべてを複合させればいんじゃん! という天才的な答えを導きました。


具体的にはまず、クレジットカードでpcを購入し、公開オナニーできるサイトに登録して世界に絶頂を配信しつつ、隣に置いたスマホでアマプラを流し見、右手でダンベルを上げ下げし、左手は別のスマホを用意しマッチングアプリで女子おなご探し、右足でポケカの神経衰弱を楽しみつつ、左足でタイピング音を奏で絶頂へと至る過程にひとふりのスパイスを、お口はペロペロとク〇ニの練習を怠らず、フィニッシュ!

マルチタスクによって疲れ切った体を癒す為にベッドに潜り、夢の世界へレッツゴー!






これからはこれをわたくしの趣味にします。ありがとうございました。


新・ざわざわ森のがんこちゃんになって帰ってきますので、皆様ご期待くださいませ

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