新藤達也は邪魔者になりたくない2

 羽崎がいるのは気付いていた、視界に入る位置にいるんだ、気付かないわけがない。触れなかっただけ。


 傍から見れば友達同士が一つの席に集まって談笑している図に映るだろうが、当然ながら冬休みに入る前はこんなことなかった。新藤が戸惑うのも無理ない。


 新藤だけじゃない、俺も困惑しきっている。何故、平然とこの場に羽崎がいるのか……さっぱりわからない。


 俺が羽崎の存在に触れなかったのはそのせいだ。意図が読めないから不用心に突っ込めない。これがもし代行の依頼だったら……なんて懸念もあり、俺は知らぬふりを決め込んだのだ。個人的に、代行サービスやってることを新藤並びに他の人にバレるのが嫌だから。


 けれども時間の問題だったのもまた確か。いずれ必ず新藤が触れてくる……予測するまでもなく明らかなことだ。ちょうど今のように。


「おい奏多! 黙ってないで説明しろよ! なんで羽崎がここにいるッ? なんで一言もしゃべらないのッ? 俺がどういう気持ちでいたかわかる? 本人目の前にして言うのもなんだけどちょー気まずかったんだぞッ?」


 無言でいる俺に我慢できなくなったのか、新藤は机に両手をつき、前屈みになって錯乱したように捲し立ててきた。


 混乱するにしたって大袈裟すぎな気がするが……とりあえずここは当たり障りのないように。


「落ち着けって新藤……羽崎が俺達と一緒にいるからなんだってんだよ。同じクラスの一員だろ? だから羽崎がクラスのどこに居ようが羽崎の自由、どこにいようが誰といようが自由、おかしくなんてない……そうだろ?」


「いやそういうことじゃねーからッ! ……やっぱあれか? お前らあれだろ――そうなんだろ!」


「あれって、なんだよ」


 俺が聞き返すと、新藤は真剣な面持ちで俺と羽崎を交互に見つめ、そして口を開く。


「……付き合い始めたんだろ、お前ら」


「…………は?」


「は? じゃねーよッ! 奏多がいくら誤魔化そうとしてもな、俺にはわかるんだよ! この居心地悪い感じ、『二人の邪魔しちゃってるんだろうなぁ……あは、あはは……』って罪悪感と疎外感! ……あん時と同じだよ。中学ん頃の友達が俺とまったく面識のない彼女連れてきて……なにをするにもどこに行くにも邪魔者感が拭えなくて……ずっと愛想笑い浮かべてたあん時と……『久しぶりに遊ぼうぜ』って向こうから誘ってきたくせによ……」


 おちゃらけた外見に似つかわしくない過去のエピソード。よほど辛い記憶だったのか新藤の表情はたちまちに沈んでいった。


 まぁ確かに? 新藤の経験はさぞ辛いものだったと思うよ? もじ自分だったらって考えたら……うん、俺も疎外感を覚えていたに違いない。けど! それとこれとは違う。俺と羽崎は恋人関係じゃない、だから新藤が今感じているものもまったくの見当違いだ。


「俺は邪魔者、誰にも必要とされていないんだ……」


 ブツブツとネガティブを呟いている新藤はすっかり意気消沈な様子。


 そんな新藤に俺は否定の言葉をぶつけ目を覚まさせようとする。


「新藤、お前が過去に辛い思いをしたのはわかった。同情するよ……だがな、俺と羽崎は別に付き合ったりなんかしていない。だから、今お前が感じているのも全部気のせい、自意識過剰なだけ」


「…………本当か? 本当に奏多と羽崎の間にはなにもないのか? ……俺は、邪魔者じゃないのか?」


「邪魔者なんかじゃねーよ。てか、なんも変わんねーよ……俺とお前は、これからも友達だっつの」


 目を合わせながらは照れくさい。俺は顔を逸らし、鼻の頭を掻きながら新藤にそう伝えた。


「…………そっか」


 想像していたよりも新藤の反応は素っ気なかった。露骨に嬉しがられたりするまでは求めてなかった。それはそれで気持ちが悪いから。


 ただ、もうちょっとこう……友情が実感できるような反応してくれとも良かったんじゃ……とも思った。野郎に対してこんなこと思っちゃってる俺も十分気持ち悪いけど。


「……俺も奏多のこと、かけがえのない友達だと心から思ってるよ」


「――お、おう……」


 まさかの焦らし。タイミングをずらして送られてきた新藤の言葉に俺はドキッとする。口にはしない、というかできないが――凄く、嬉しかった……そして、安心した。


 けれど、新藤は喜怒哀楽のどれもが当てはまらない……無の表情をしていた。


「友達の奏多に、一つ訊きたいことがあるんだけどよ」


「な、なんだ?」


 俺が続きを促すと、新藤はおもむろに顔を横に向ける。その視線の先にいるのは羽崎で――。


「――どうして羽崎は〝まんざらでもない様子〟でいるんだ?」


 長い黒髪から覗かせた耳は真っ赤になっていて、俯く彼女の体はプルプルと震えていた。




――――――――――――。

どうも、深谷花びら大回転です。


性懲りもなくまたスロット行っちゃいました泣。1マン7せん溶かしちゃいました泣


塵も積もれば山となる作戦とか言って、毎日3000円プラスで勝てればいいなとか夢を見て、結局これです泣


もう嫌……殺して……わたくしなんて生きてる意味ないの。一生お金貯まらないの。


自分探しの旅にでも出かけようかな……あ、お金ないんだった。はは……現実逃避すらさせてくれないんだ……。


…………皆さん、さようなら。わたくしのことは探さないでください。





PS・片栗粉でローションの代用が作れますとかほざいてた記事、わたくしは許さねーからな? オ〇ホに注入していざ参るってひっくり返したら中身が全部ベッドに零れて…………許さねーからな? 覚えとけよ? ああん?




ー俺様の美技に酔いな


れるは氷帝! 受けるは青学!



お後がよろしいようで。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る