束の間の青春――それぞれの思惑
緑川みのり
『今日の所は』、だなんて……羽崎センパイも意外と律義だな~。小鳥遊センパイはなにがなんだかわからないって感じだったけど。
小鳥遊センパイはともかくとして……どうなんだろ? 羽崎センパイは目黒川センパイのことどう思ってるんだろう? 好意を寄せているようには見えないけど……。
まあでも、好きじゃなきゃ『今日の所は』なんて発言したりしないか。それに、わざわざ代行サービスを利用したりもしない。あの人は無駄な時間を嫌うタイプの人だし。
『せっかくここまで来て、これだけで解散というのも締まらないから――今日の所は皆で仲良く、というのでどうかしら?』
そんな人が気を遣った提案をするくらいだ。それだけで好きに繋げるのはあれだけど、少なくとも興味のない相手じゃないってことは言える。
ならウチは? 好きか嫌いか、どちらかっていうと好きな部類に入るけど、本気で好きなわけじゃない。
目黒川センパイに彼氏役を頼んでいるのもウチに利があるからってだけ。
ん~、やっぱりそれだけじゃないかな? 絶対に惚れないからとか言われてムキになっちゃってるのもある。
…………ウチに参加資格はないけど、でもやっぱ負けたくないかな…………特に、この二人には。
ここでウチが選ばれなかったら……これまでの人生を否定されるみたいで、凄く――嫌だから。
羽崎美羽
目黒川君から言質は取った。後は私が本物になればいい。
緑川さんに小鳥遊さん……それだけじゃない。他の誰にも譲らない。
誰が彼を好きになろうとそれ自体は構わない。けれど、最後に選ばれるのはこの私。
絶対に振り向かせてみせる。
小鳥遊甘美。
――本当にどれもこれも美味しいわッ! 屋台で売られている物なんて人生で数える程しか口にしてこなかったけど――いえ、口にしてこなかったからこそ、新鮮! 週休二日制で屋台飯を食べたい!
どれも安価でどれも美味――恐るべきコスパ! 全員ウチで雇いたいくらいだわ!
あら、凄い行列…………唐揚げ、か。ふふ、どれだけ私の舌を喜ばせる気よ……もう。
――――――――――――。
一時はどうなることかと思ったけど……まあ、皆楽しそうだからいいか。
前を歩く和気あいあいとした3人の背中を見つめながら、俺は小鳥遊が買ってきてくれたクレープを口に運ぶ。
作られてからまあまあ時間が経っているが……それでも普通に甘くて美味しかった。
――――――――――――
どうも、深谷花びら大回転です。
今回はふざけた後書きをしません。ただひたすらに★くれマンになります。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★当選おめでとうございます!★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
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