温もりを求める冷たい幽霊と〝性〟なる夜を6
俺の知る彼女はもっとこう、サバサバしているというか孤独を好むまさに一匹狼なイメージが強かった。
が、今はどうだ……狼、というより愛らしい子犬のようじゃないか。羽崎らしさの欠片もない、こっちまで調子が狂いそう……てか多分もう狂っている。誰だコイツは! これほど男心のくすぐり方が達者な女子、俺の知り合いにいないぞ!
一歩間違えれば惚れてしまいそうなほどの破壊力、しかしながら道を踏み外したりは決してしない。認めたくないが今の羽崎は無条件で心許してしまえるレベルで可愛い……が! 忘れてはいけないことがある。
それは――初っ端から合体を求めてきた軽さ、否――股の緩さだ! 清楚な子がタイプな俺にとっては致命的問題。加えて人を好きになる理由がシンプルときたもんだ……ヤ〇マン疑惑は晴れるどころかより濃くなった。
初めては好きな相手と心に決めているが、欲を言えば相手も初めてであってほしい。そう夢を見る童貞も世の中にはたくさんいて、その内の一人がこの俺、目黒川奏多だ。
だからすまん、羽崎……俺はお前の気持ちに応えられそうにない。
反応を待っているのかさっきからチラチラとこっちに視線を寄越してくる羽崎。そんな彼女に俺は告げようとするが、
「羽崎、気持ちは嬉しいが――」
「ま――待って! ……ちょっと待ちなさい」
言葉の途中で羽崎は両手を前に突き出して待ったをかけてきた。
「目黒川君……また、彼氏代行を利用してもいいかしら?」
「え? あ、いや、本日限定のサービスだから次回とかはちょっと……」
話を変えてきた羽崎に俺は戸惑いながらも、そう答えた。
すると彼女は両手で押し出すポーズを保ったまま、おもむろに顔を上げた。その
「お願い……私にチャンスをちょうだい」
「チャンスとは?」
お財布をすっからかんにしてしまったギャンブル狂の台詞にも聞こえる羽崎の発言に、俺が首を傾げてどういう意味か訊ねると、彼女の口から力ない声で返ってくる。
「今日の私……変なの。気持ちが前に行き過ぎているというか……とにかく、変。振られるのも無理ないわ」
「え?」
「どうしてわかったんだ? って顔してるわね…………わかるわよ。だって、『気持ちは嬉しいが』だなんて断る際の前置き以外に考えられないじゃない」
「……そうだな。確かに、それ以外に考えられない」
「そうよね? だから、仕切り直しの意味も込めて、彼氏代行を利用していきたいの。往生際悪そうに映るかもしれないけれど、一時のテンションに身を任せたせいで振られるのは納得できない――どうせ振られるなら、全力を尽くして振られたいの」
羽崎の真っ直ぐな瞳が俺を捉える。言ってることはハチャメチャで、自分勝手な理由だなってのが率直な感想だった。往生際悪そう……まったくもってその通り。
同時に、後悔したくないって気持ちも伝わってきた。
「……偉そうに聞こえるかもだけど、仮に続けたところで結果は変わらないと思うぞ? それでもいいってのか?」
「構わないわ」
即答した羽崎。俺なんかのグラグラな意志とは比べ物にならないくらい揺らぎない眼をしている。
「……はぁ。わかったよ。但し、金は払わなくていい。今日も、それから今度利用するとしてもだ……それが条件」
そう俺が提示すると、羽崎は一瞬だけ喜色満ちた表情に。
が、その表情はすぐに意地悪いものへと変わっていく。
「それなら心配しないで。元々、お金払うつもりはなかったから」
……………………。
この野郎……そう思う反面、ああうんうん羽崎らしいや! とも思った。
その後しばらくして「今日はもう帰りましょうか」と言ってきた羽崎に同意し、俺達はホテルを出た。
――――――――――――。
どうも、深谷花びら大回転です。
昨日、投稿できなくて申し訳ありません。地元の友達と戯れていました。
……一日で約18万つこうてしまいました。
4パチで10万……それから友達にもわたくしの金でいたせて4×3の12パチで1時間そこいらで5万……風〇に3万……もう最悪です。
来年は真面目に生きます。というより執筆に専念します。カクヨムコンにも間に合わせなければいけないので……。
というわけでこれからは投稿頻度上がると思うのでそのつもりで。本気になったわたくしを舐めんなよ? (昨日はいっぱい舐めてもらっちゃった)
それから後書きも今後は控えて行こうと思います。投稿頻度を上げるとなるとその分、ネタも考えなくてはならんので。かまってちゃん病が発症したら書くぐらいですかね。
とにかくそんな感じ。ではでは、皆さん。2021年も間もなく終わりますが、悔いのないよう、やり残しがないようにしてください。そして新しい年を笑顔で迎えられるように。
では――よいお年を(金くれや)
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