世間知らずなお嬢様と偽りのご挨拶7
小鳥遊宅から最寄り駅まで俺達は歩いて向かった。
道中、俺は小鳥遊に縁談が取り消しになったという結果だけを伝えた。彼女も耳にしていただろうから過程は省かせてもらった。
小鳥遊にとっては朗報だったはずだ。しかし、彼女の反応はどうにもイマイチ、というより心ここにあらずといった感じだった。
目も合わせない、会話も生まれない、外は暗いし寒い。報告は済ませたんだしこれもう小鳥遊と一緒にいる意味ないのでは? と俺は気遣いのつもりで彼女に家に帰ってもいいと伝えたが、小鳥遊は首を横に振って否定を示し、結局駅まで付いてきてしまった。
改札を前にして小鳥遊は足を止めた。俺も
「それじゃ、俺はこれで。夜道に気をつけてな」
「――あ」
ようやっと目を合わせてきた小鳥遊。なにか言いた気な顔をしている彼女に、俺は「どうした?」と静かに訊ねる。
すると、小鳥遊は焦ったように視線を泳がせ、やがて力尽きるように地に落としてしまった。
おかしい……いや、急におかしくなったと言った方が正確か。小鳥遊パパを説得して今に至るまで、彼女はずっと〝らしく〟ない。
一体なにがあったというのか、そして今、俺はどうしたらいいのか。
そう俺が頭を悩ませていると、小鳥遊は不意に口を開いた。
「……今日は、その、ありがとう」
独り言の並みの声量で彼女は感謝を伝えてきた。なんだ、礼を言いたかっただけか。
「大したことはしてねーよ。お前のお父さんが物分かり良い人だったってだけ」
「ううん、目黒川のおかげ…………お父さんに
あ、あの人の怖さは娘公認なのね。まぁ、そりゃそうだわな。
「楯突くってのは人聞き悪いだろ。俺は感想を述べたまでだ」
「それでも凄いよ。中々できることじゃない……目黒川は勇気ある」
「いや、内心ビビりまくってたからね? 俺」
「だとしたら尚更凄いよ」
どう返しても褒めてくれる小鳥遊に、俺は居心地の悪さを感じてしまう。
俺は明後日の方向を見つめながら頬を掻く。すると、視界の隅で小鳥遊がゴソゴソしているのが映った。
――彼女は財布を取り出していた。
「やっぱり、お金お受け取ってほしい――」
「金はいらない」
間髪入れずに俺は答えた。小鳥遊は不安と不満を混ぜたような表情で俺を見つめてくる。
「あのな小鳥遊……今回の件はお父さんを心配させてるお前にも非があんだぞ? 少しは自分を見つめ直せ。特に、金を払って勝手に満足するような自分とかをな」
「――――ッ」
きつめに言いすぎてしまったか、小鳥遊の顔は今にも崩れそう。
それを隠すためかはわからんが、彼女は俯いてしまう。
時給980円と
俺は自分への呆れを溜息という形で表した。
小鳥遊を責めるものではなかった。なのに彼女は俺の溜息に肩をピクンと上下させる。
これ以上はお節介が過ぎるか。
「とまぁ、そういうことだ…………それじゃ」
俺はつま先を改札に向け歩き出す。小鳥遊に呼び止められることはなく。
他人に説教くれるとか……俺もらしくないことしちまったなぁ。
――――――――――――。
どうも、深谷花びら大回転です。
あのですね、わたくし「たった一度の片思いでメンタルやられた捻くれボッチの俺が、学年一の美少女から送られてきたラブレターを丸めてポイした結果、望まぬラブコメが始まった」という別の作品でもカスみたいな後書きやってるんですけども(あっちはもっと酷いことになってる)んですけども……。
もうね、ねーんだよ! ネタがよ! ネタなさすぎて墓場まで持っていこうとしてた妹のベッドでオ〇ニーまで世界に公開しちまったじゃねーか! どうしてくれんだ、ああッ?
もうあれか? いっそ公開オ〇ニーするしかねーのか????
みてーのか? お前等はみてーのか???
???「見たけりゃみせてやるよ」
あ――あなたは⁉
次回――――大回転、卒業
部屋を暗くして全裸で観ろよな!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます