小悪魔チックな後輩ちゃんと偽りの契約4

 14:00。終了のお時間。俺と緑川はお店を後にし、駅構内へと戻ってきていた。


「今日はありがとうございました。センパイ!」


「おう」


「えっと、金額は……980円を4時間だから……3920円ですね」


 スマホで計算したのだろう。緑川は財布を取り出し、お札を抜き出そうとしている。


「ああ、金は払わなくていいぞ?」


「え、なんでですか?」


 キョトンとした顔して訊ねてきた緑川。


 あれはただのネタツイート、稼ぐ目的は一切ないんだなぁ……とは言えず、俺はそれらしい理由で誤魔化す。


「今回はその、お試し的なやつだ。だから無料、金は受け取らん。それにほら、今日はクリスマスイブだろ? 聖なる日にお金の受け渡しとか、ちょっと気が引ける」


「いえいえ、そんなわけにはいきません! ウチのお金、正確にはウチの両親が汗水たらし必死に働いて得たお金の一部を、ここでちゃんと受け取ってください!」


「いや、余計受け取りづらいんだけど」


「はぁ、そうですか…………じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいますね」


 ありがとうございますと礼を言って、緑川は財布をしまった。


 金銭のやり取りはさすがによろしくないしな。今度また緑川が利用するようなら、そん時はお金じゃない別の物を報酬として貰おう。たとえば……ジュース一本とか。


 高校生にもなってジュース一本で動くってどうなの? なんて俺が自分に疑問を抱いていると、緑川は突然ハッとした表情になり、数歩後ずさって自分の体を抱く。


「ひょっとしてセンパイ、後になって『体で支払ってもらおうかグヘヘヘ」とか言い出すんじゃ……」


「んなわけねーだろ! 一体俺にどんなイメージ持ってんだお前は!」


「イメージ、ですか? んん~、そうですねぇ……」


 なにやら真剣に考えだす緑川。


 どうせ碌なこと返してこねーだろと決め付け待っていると、緑川はふふん! と笑みを浮かべ、両手を後ろに組んでこっちに向かってきて前屈みで俺を見上げてくる。


「今日を通して抱いたセンパイのイメージはですねぇ……なんだかんだ言いつつ扱いや――じゃなくて、優しい……ですかね! きゃぴ♡」


 ちょっと緑川さん? 今扱いやすいって言いかけてったよね? 優しいってそれ、難易度の話だよね!


「あ、あれぇ? センパイ、顔怖くしちゃって、どうしたんです?」


「自分の胸に手を当てて聞いてみろ」


「え、女の子に自分のおっぱいを触らせて楽しもうって魂胆ですか? やらし」


「そうじゃねーよッ!」


 俺がツッコミを入れると緑川は「冗談です冗談です!」と笑いながら言って、姿勢を正した。


「ウチはそろそろ……センパイはこの後どうするんです?」


「俺は友達と遊ぶ予定だから、ここに残る」


「クリスマスイブに男同士で、ですか……寂しいですね」


「クリスマスイブに彼氏代行サービスを利用してるお前も大概だけどな」


「ふふ、確かに。――――ではセンパイ! また」


「おう」


 ペコリとお辞儀した緑川は、身をひるがえして改札へと駆けて行った。


 その後ろ姿を見つめていると、不意にスマホが振動した。


 ……玉さんからのDMか。


『本日、16:00。待ち合わせ場所は○○駅内にある〝テテール〟の前で』



――――――――――――

どうも、深谷花びら大回転です。


男性読者の方に質問があります。皆さんは〝乳首〟に毛が生えてますか? 生えていらっしゃるという方、だいたい何本くらい生えてるか教えてほしいです。


僕は左右非対称、カッコよく言うとアシンメトリーなんですよね。右が3本、左が2本です。しかも成長具合も違います。


あって困ることはないんですが、如何せん生えてる本数が中途半端でだらしなく映るんですよね。


後、どういった処理方法をしてるかも教えていただけると幸いです。


皆さんのお答え、洗面所の鏡の前でモストマスキュラ―ポーズしながら待ってます。大回転より

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