第3話 儂が魔法学校?魔法の基礎をいまさら学べと?

 魔法学校に行く!?やったあ!


 なんて、気楽に考えるほど儂も甘くはない。

 魔法は完全に制御規制されて使っておったから大丈夫なはず。

 ではなぜいきなり魔法学校なんて出てきたのか。

 それは両親に問いただす前にわくわくで母が語ってくれた。


「私たちの夢に同じタイミングで女神さまが出てきてね。ハイサスには魔術の才能があるから学校に行かせなさい。っておっしゃられたの!」


 女神いいいいいいてめええええええ!

 すべては女神の采配か。

 おのれ女神、許すまじ。


「あなたは良い子だから、人前に出すことに心配はしていないわ。だけど、遠慮をしているところがあると思うの。私はあなたに新しい世界を知ってほしい。魔法もそうだけど、いいお友達とここ以外のきれいな景色が世界には沢山あるのよ。」


 …なるほど。

 儂が新しい世界を知る。


「どうしてもって言うなら無理強いはしない。でもあなたはきっと大丈夫。だって私たちの自慢の息子だもの。」


「…ママ。僕学校行ってみるよ。」


 儂ちょっろ。優しすぎ。


 でもここで断ったら一生寝て過ごすことになりそうだし。

 儂のママにも恩があるからな。


 しかも、人の学校なら世界の現状がわかる授業があるだろうし。

 改心とかいうふわっとした目的に、まずは人の世界を知るという中間を設ける。


 儂、賢い。


「ところでその魔法学校ってどこにあるの?」


「ここから馬車に乗って行くんだけど、毎日帰ってくることはできないから寮で生活することになるわね。」


 でも儂ら馬車なんか持ってないよね?

 そんな金銭面の余裕もないよね?


「申し込みをしたら、お迎えに来てくれるらしいわよ。」


 おお、なんという新設設計。

 まあそこまでしっかりしてると、ちょっとだけ期待できるな。


 …いや、まだだ。

 儂としたことが、重要な事を聞き忘れていた。


 そう。名前だ。


「ママ、学校の名前は?」


「あら、そういえば言ってなかったかしら。」


 


 デトワール魔法学校。


 あの伝説の勇者が卒業した

 人風に言うなら「今一番アツい」学校。

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