第2話 出逢い
いつものように、カップ麺を購入するために
行きつけのコンビニに向かうと、
見慣れない娘がレジに立っているのが窓から見えた。
そこは以前、酒屋をやっていてコンビニに改装したお店で、店長のオヤジさんは家の父親と同じ町会仲間。ボクも小さい頃から顔馴染みだ。ちなみにボクの家は代々八百屋をやっている。
野菜を主食にしていたら、こんなに自由気ままなワガママ体型にはならないだろうと、店番をする度にお客さんの無言の視線を感じる。
実際、父親も母親もいたって普通のザ・ジャパニーズ体型だ。
「や~いらっしゃい。少し痩せた?」
いやいや何を言っている?
その眼鏡は偽物か?むしろ太ったわ!
「この娘は初めてだね?親戚んとこの娘さんなんだ。ちょうど同じ歳じゃないかな」
へ~同じ歳なんだ。
ってまともに顔も見れて無いけどね
「いつものでいいかな?」
そう言うとオヤジさんはレジの下から、
6個ずつ袋に詰められた緑のタヌキと赤いキツネを取り出してカウンターにドサリと置いた。
「わたしも大好きです。それ」
その娘は天使の様な笑顔で、パンパンの袋を指差してそう言った。
…わたしも大好きです…
…大好きだって!?
ボクが大好きなモノを大好きだなんて!
しかも
そんなそんな天使の様な笑顔で…
完全な一目惚れ
まさに女神様降臨
コンビニのメタボさま
違う(-д- 三 -д-)
運命の女神様に出会ってしまった。
「ボクも大好きです!」
「知ってるよ~毎度あり」
…うるさいぞ、オヤジ💢
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます