#04 出会い
「新しくクラスメイトになったフィリス・ディラスリナです、ヨロシク・・・」
A級クラスから異常者の集まりである化物に移動し終えた俺は担任が見守る中、自己紹介をしていた。――だが、誰一人としていないクラスだ。
「・・・」
聞こえるのは風の音だけ、壁には歴代の落書きやサインなどが書かれていた。
「おい、なんだよ。この状況は・・・?」
ゆっくりと担任の方に振り返ると同時にドアの音が聞こえて来た。
マジですか・・・?
****************
教室に幽閉されてから1時間後、再度ドアが開いて美少女が姿を現した。
「ん・・・新人?」
「お、おう。よ、よろしく」
美少女は美少女だ、それにボンキュッボン!3点セット!マジ、異世界最高だ‼
「ヤッホー!新人君、元気いぃ?」
めちゃめちゃ陽キャな美少女も来た――待って、この2人の美少女もこのクラスなの⁈
「早速だけどさ、君のあの魔術杖を見せてくれないかな?なんなら、私達と模擬戦でも良いからさ」
「俺が勝ったら、何してくれるのかな?」
「この学院に存在する最強ランキングに載るよ!順位は一気に5位になるけれどさ」
そんな物があるのかよ・・・。初めて知ったわ!
「ふーん、じゃあ。模擬戦しようよ」
「おー!」
「私達に勝てるのは先輩だけ、新人。あなたは強い?」
他のクラスが演習中にもかかわらず、俺達は中に入った。彼女達を見たB級クラスの担任が恐れるような表情になった後、憐れむような目で俺を見て来た。
「ルールは簡単だよ、私達を倒してよ」
彼女達が詠唱し始めた時、俺は腰に下げていた物を取り出して栓を抜き転がしておいた。
「さぁ、始めようか。――戦闘を」
その瞬間、自分の足元に焦がしていたソレから白い煙が展開を始めて演習場の半分を包み込み始めた。フィリスが準備として足元に転がした物は、
ブースターを横にずらしてホロサイトを覗き込み、相手の出方を待った。
刹那、黄色の閃光が地面と平行に走ったのを目撃した。
「あれは・・・
閃光と爆音で相手を怯ませるだけの
――バンッ‼
ほぼ同時に爆発した後、「目、目がアァァァァぁ‼」という声が正面から聞こえて来たので
――ダダダッ、ダダダッ!
煙が晴れると同時に、陽キャの姿が目に映った。
「アシが・・・脚が無いよぉ!」
足の靱帯がズタズタになった身体で泣きわめいていたので、
「降伏しろ、俺の勝ちだ」
その時、気配を背後から感じたのでHK416を地面に投げ捨てると同時にそいつの腕を掴み関節を決めて地面に投げつけた。
「俺が、魔術だけだと甘く見ないでほしい。
その後、負けを認めた2人に回復術をかけて体力と部分回復をかけると、陽キャ女子が「新人の名前を教えてよ、うちら。今から君の部下になるからさ」と言って跪いてきた。
「フィリス、フィリス・ディラスリナが俺の名前。よろしく、右腕と左腕さん」
「屈辱だけど、リリアが認めた相手だから仕方が無い。よろしく、ボス」
「――とか言っちゃって~。本当は嬉しいンでしょー、エルネア~?」
「リリアとエルネアか・・・、良い名前だな」
これが後に世界最強と唄われる3人の出会いだった。
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