#03 AK-47

 学院に入ってから2ヶ月が過ぎた頃、フィリスはこの世界にない銃を発明していた。

 その銃の名は、AK-47と言い使用口径弾薬は7・62×39ミリ弾を30発撃てる現代でも使われて大量の殺人兵器とも呼ばれている兵器だ。

 演習場を貸し切って発案し自身の魔術量や魔石などを使用して部品ごとに開発・調整をしていった後で組み立てていく。最後に試作弾薬を製造して1発ずつ性能を試験射撃していった後にしっくり来た弾薬こそが7・62×39ミリ弾だった。

 弾種は演習や研究で使う模擬弾と、対魔物用の通常弾薬の2種類しかない。

模擬弾訓練弾倉装填、安全装置セーフティー解除。発砲切り替え完了、よぅく狙って・・・」

 魔術演習のために設置されている10個の的に順番に銃口を向けてシミュレーションした後、引鉄に指をかけて1発ずつ確実に狙って撃って行く。

 鉛の弾丸が発射されるごとに空になった薬莢が金属音を奏でて演習場を覆っている砂の上に落ちる中、銃口が光った。

 全ての的を撃った後、空になった薬室チャンパー内を確認するとすぐに腰に装備しているホルスターからM92Fを取り出して弾倉マガジンを装填して狙いを定めるまで凡そ1秒。更に模擬弾とはいえ、実戦形式で行うため消音器を銃口先ノズルに取り付けた状態で発砲している。

 その後、空になったAK-47のマガジンを回収して更衣室に戻ると学院服に着替えて寮に戻りその日は就寝した。

 後日、演習場の近くを通っていた女生徒が銃声を聞いていたことでちょっとした騒ぎになった。

****************

 ある日の演習場でフィリスは今日も射撃訓練をしていたその時、銃声を聞きつけた教師らが居るのに気が付かずにAK-47を見せてしまった。

 詠唱もないまま的を破壊していく杖のような形の物を始めて見た教師らが驚愕している声が聞こえて来たが、射撃している俺の耳には銃声にかき消されて聞こえていなかった。

「ふぅ・・・、こんな物かな」

 一通り撃ち終えて空になった薬室チャンパー内を確認すると空になったマガジンを抜いて一息ついた時、足音が聞こえて来た。

「君!その魔術杖はなんだね⁈」

「あんな魔法、聞いたことが無い‼」

「ダダダダダダッ‼という音は、古文書にも書いていないぞ‼」

 教師たちだった、寿命3年縮んだような気がする・・・。

 それに、古文書にもないという事はこの世界に存在しない科学技術だからだよ・・・!そもそも、魔法という分類ではないから‼

 その後、なぜか学院室に連れていかれてクラス変更になった。A級クラスでは無く異常者の集まりである化物モンスターというクラス名だ。

 異世界あるある、世界にない技術を持った生徒はすぐ移動。――テンプレじゃネ?

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