#02 魔剣士専門養成学院入学試験
13歳の頃、家の中で成人式が行われた。この世界では13歳が成人判定になるらしい、ちなみに学校へ通えるようになるのは13歳からだって。
剣術だけを極める剣王学園や魔術だけを極める魔法学院がメジャーらしいけれど、魔剣士専門養成学院という所もあるらしいからそこへ通う事になった。
「――第250回、魔剣士専門養成学院入学試験をこれより始める!フィリス・ディラスリナよ、壇上に上がり試験官の目の前に向かえ!」
魔剣士専門養成学院の試験内容は思ったよりも簡単すぎる、内容は試験官との模擬戦だけだが身体強化魔法を使用してもOKという内容だ。しかし、俺は身体強化なんてしない魔法という知恵では無く技力という魔法で戦うのが俺流の戦法だ。
「はぁ・・・、実力主義な学校か。ま、悪くないかも、な」
壇上に上がると鞘から剣を抜いて、俺なりの構え方で待機した。
「君と戦いたかったよ、闘術剣技祭の優勝者君」
「・・・」
「ははは、彼は臨戦状態に入ったようだね。じゃ、始めようか」
俺は目を閉じて相手の息遣いと足音、気配を感じ始めた。砂がこすれる音がかすかに聞こえた時、「私の勝ちだよ、フィリス君」という声が背後から聞こえて来た。
目を開けて笑窪を作ると、相手の顔が変わった。何故か?それは、相手の背後から狙っている構図になっていたから。
「チェックメイトですよ、僕は
「――ど、どうやって回り込んだ・・・?」
「簡単ですよ、試合開始と同時に鞘を身代わりにして回り込んだだけですので」
試験官が恐る恐るフィリスの居た場所に目を向けると、確かに地面には鞘が1本あった。
「――嘘・・・だろ」
「嘘では無いですよ、これが魔法も鍛え過ぎて
その後、試験官から合格の判子を貰い見事首席と特待生になったのである。
****************
「――第250回、魔剣士専門養成学院入学式をこれより始める!今年の首席であるフィリス・ディラスリナは、訓示を述べるために前に出てください」
フィリスが新入学院生の列から外れて前に出ると、周りに居た教師や同期の生徒、在院生らがしっかりと見て来た。
「どうも、僕がフィリス・ディラスリナです。えーっと、我々新入学院生は
フィリスが1礼をすると、周りから拍手喝采が上がった。
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