オーディ・ゲディガ共通語

オーディ・ゲディガ共通語(Ordi Gedigian Common Speech、オーディ・ゲディガ共通語:Ranwa-a-Ordi-a-Geda、ヴァロケリム語:Terzanaken Ordi Gediga)は、初代サルナ・アフィータと初期ウォトゥーリアによって、ヴァロケリム語と同じ時期に作られ、各地に広められた言語。長きにわたってフィラクスナーレの共通語として機能したが、その中で分化していき、一定の間隔で整理と再制定が行われることとなった。国際異世界研究機関ウォトゥーリア・エノマの研究においては、OGCSと略されることが多い。


 オーディ・ゲディガ共通語は、初代サルナ・アフィータが創造した人工言語である。アムドルスタ期において戦乱が起こった際、ティズィアルに与えられた英雄的な力によって世界を平定した彼らは、全世界の人間が会話するための第2言語としてこの言語を創作した。『ザルーニヒ・アプヘイティヒ・イズドリアンニス』によれば、彼らは360日間山に篭って言語を創造したことになっているが、実際はこれらの言語は各地域の古代言語熟達者や王族の家庭教師、哲学者などによって監修されたと見られている。

 オーディ・ゲディガ共通語は、サルナ・アフィータの死後設立されたウォトゥーリアによって統制・補完され、各地に広められた。そもそも各民族ごとに発音・発話の容態が異なることを許容できるようなつくりになっていたため、しばらくはウォトゥーリアによる統御も成り立っていたが、次第に地域特有の言語特徴・改新・新規語彙などが増えていくことで言語変化が避けられず、方言の差が開いていった。

 ウォトゥーリアは共通語の統一と管理に尽くしたが、結局は各方言の乖離は抑えることができず、最終的に分岐は不可避となった。地世ごろには各地方の方言が相互理解不能になっていたとみられ、実質的に共通語としての役割を終えたといってよい(一方でデジタルな通信が可能になったり、非言語コミュニケーション技術が発展を見せることになった)。


 古ヴァロケリム語から多くの語彙を借りているが、文法自体は極力単純なものとなっており、性数格による活用や曲用は存在しない。類型論的には膠着語と孤立語の要素を併せ持っており、SOVの語順を持つ主格――対格型言語である。

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