かさね
食連星
第1話
私が私でいられるために.
あなたは何をしてくれるの?
何も出来ないわ.
だって,
あなたじゃないもの.
あなたはあなたのために.
何をしていられると思うの?
何かが出来ると思うのよ.
だけど,
あなたが言わないのよ.
言わないから出来ないの?
出来ないから言わないの?
違うのよ.
どうでもいいから,
言えないのよ.
じゃあ一緒に
躍りましょうか.
くるくる回って,
一緒に血の涙を流しましょう.
一緒なのよ.
そう,
皆.
だけど,
一緒じゃないのよ.
一緒じゃないから
傷付くの.
傷付いたふりをするの.
らんらんらん.
今日は楽しい
パーティよ.
あなたは,
ドレスを着るかしら.
それとも
タキシード?
いいのよ,そう.
何を着ても,
何を身につけても
あなたはあなたで.
裸で躍ってるのよ.
皆.
そう皆.
王様はいないわ.
王様みたいな赤ん坊。
赤ん坊みたいな王様。
だって,
皆
一緒だもの.
同じで
同じじゃなくて
違って
違わないの.
持ってるものが違うだけ.
持ってると思ってるものが違うだけ.
何も持ってないのよ.
色眼鏡.
万華鏡の中で
一緒に踊りましょう.
素敵な絵画を描きましょう.
たまったグラスの赤は素敵よ.
そうあなたも
あなたも
あなたも
登場する
真っ白な物語.
楽しいでしょ.
そう,本当は楽しいのよ.
楽しいと見せかける
エンターテインメント.
なぞるだけの山脈.
手つきはそう
怪しいだけのね.
かさね 食連星 @kakumi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。かさねの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます