第5話 不審者との出会い

 朝、童子はテレビを観ていると、あるニュースが流れてきた。


「女子高生に猥せつな行為を行った容疑で○○容疑者が逮捕されました。

 ○○容疑者は身体には触ったが胸は揉んでいないと一部避妊...、いえッ!!否認していまフフッ......失礼しました...」


 身体に触るだけでアウトだろ。罪を軽くしようと必死なんだなぁと童子は他人ごとのように思った。そんなことになるとわかっているなら子どもを作ってその子にそれをすればいいじゃないかと思った。

 その次に、彼女が出来ないなら子供もつくれるわけないだろと心の中でツッコミを入れた。


 ツッコミを入れる所はそこではなく子どもにするという下劣な行為の方だが...。



 童子はおよそ14時頃にコンビニへ足を運んだ。ポテチを買いに来たのである。


 このポテチ薄めだけどそこがいいんだよな


 そんな事を思ってコンビニを出ると奇妙な光景を目の当たりにした。自転車に乗った男が中学生らしき女の子の胸を触ったかのように見えたのだ。


 ......!?恐ろしく速い痴漢......俺でなきゃ見逃しちゃうね......


 童子が感心していると、ふと思い出した。


 あいつ、例の不審者じゃね......?

なるほど、ロリに対する犯行か。しかし、あれほどのテクを持つ者がそう簡単に捕まるはずないだろう。


 童子は少しそのテクを教えてほしいなぁとは思ったが、それではテレビに映されている残念な人たちと肩を並べてしまうのだと考えると嫌気がさした。



 童子は、ある火曜日に真莉ちゃんが水泳から帰るところを勇人と待っていた。


「真莉ちゃん追跡してどれくらい経ったっけ?」

勇人が素朴な疑問を投げかけてきた。


「えぇーとな、ちょうど三週間だな」

童子は児童の観察日記を眺めた。



 それから5分ほど経過すると、水泳教室のバスがやってきた。バス停からはだいたい30メートルくらい離れているので、バレはしないだろう。

 そして、バスが停車し、3人の児童が降りてきた。その3人の中、一人だけ女の子がいる。

真莉ちゃんだ。


 童子たちは真莉ちゃんを監視していると、バスの向こう側から自転車に乗った男性らしき人がやってきた。


 まさか......


少し暗くて少し見えにくかったが間違えなくあの男の自転車だった。


 いや、でもロリを狙うとは言え真莉ちゃんは小学生の幼女、さすがに対象外だろう。


 と、考えつつも念には念を押した方がいいと思った童子はスマホを取り出し、録画を開始した。


それを見た勇人は

「おい童子なに動画撮ってんだ?」


「痴漢」

童子は即答した。


 勇人は浮かない表情をした後、他の男児が真莉ちゃんを襲う景色を思い浮かべて興奮していた。

......が童子はまったく気にしなかった。


 そして、ついに痴漢男と真莉ちゃんが交差した


......!?

アイツ、...真莉ちゃんの尻を触った......

許せないなぁ、これは...。


「勇人、この動画見といてくれ。俺は痴漢男を裁いてくるからよォ」


                5話 完

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