第4話 特殊性癖者現る?
二人の幼女に癒された童子は、自慢するため勇人に電話をかけた。
「なんだよ」
勇人はだるそうに童子に聞いた。
「癒されてしまった。」
電話越しではあるが、勇人には今童子がどんなマヌケな顔をしているかがわかった。
「てゆーか、なんで昨日の放課後来なかったんだよ」
童子は勇人を責めた。
「なんか、急に眠たくなっちまってな!睡眠欲には勝てねぇわ!」
まさか失神してたのか?いや、もしくは自分が創設者なのにも関わらず、俺に先を越されてしまって顔がシワシワになるほど涙に溺れてしまい、自分の顔を見せることが出来なくなってしまったのでは?いやいや、もしかしたらその先を越されてしまった虚無感に襲われて、自分を守るために自分を慰める行為を行っていたのではないのかッ!?
童子の想像力は多様なものであった。
「まぁ、今日は来いよ」
童子は念入りにそう言う。
「わかったって」
放課後になると童子と勇人の二人は真莉ちゃんの家を、双眼鏡の射程距離の範囲内から見守った。
これを繰り返していくうちに、真莉ちゃんの一週間の予定がなんとなくわかってきた。このやり方が「児童監視員」である。
日曜日は完全にフリー
月曜日もフリー
火曜日は水泳を5時から7時程度
ちなみに水泳のあとの濡れた髪はちょっとえっちだった。
水曜日は4時半くらいから7時半くらいまで習い事。
木曜日はフリー
金曜日もフリー
土曜日も4時半くらいから7時半くらいまで習い事
といったところだ。
そしてある日、真莉ちゃんから最近不審者が現れたことを、先生が言っていたという話を聞いた。
「それっておにいさんのことじゃないの?」
真莉ちゃんがそういうと、それにつづいて由依ちゃんがうなずく。
「やだなぁ、おにいさんは変態でもそんな特殊性癖の持ち主じゃないよぉ」
童子にブーメランがぶっ刺さった。
「せいへきって?」
真莉ちゃんは素朴な質問をする。
そうか性癖は難しいか、
「その人のクセや習慣のことを性癖というんだよ」
童子は小学生相手に自分が大学生になったような気分で答えた。まったくアホである。
「そーなんだー、なんかおにいさんみたいだねー」
「そうかなぁ、ははっ...」
童子は的を射た真莉ちゃんの言葉にちょっと嬉しくも、悲しくも感じた。
「へんなうわさにならないように気をつけてねー」
そう真莉ちゃんは由依ちゃんといっしょに帰っていった。
不審者か、俺そんなにバレバレだったか?いや、勇人かもしれない。勇人にも伝えておこう。
昼過ぎ頃、童子がコンビニに寄って行った時、自転車に乗っている男が、前の方で歩いていた中学生くらいの女子の胸を触ったかのようなしぐさを童子は目撃したのだった。
......ん?
4話 完
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