子供
私の記憶と言うのは、だいたい三歳くらいから始まっています。丁度、幼稚園に行くかどうかってところの年齢ですね。しかし、私は幼稚園には行っていませんでした。そんな余裕は無いですし、日中は母が居ましたから。
母の職業は、お昼時間帯のスーパーのバイトでした。あと、もしかしたらこっちが本業だったのかもしれませんが、夜に出掛けていたのでそういう仕事をしていたのかもしれませんね。
まあ、今となっては確かめようがありません。
母が夜にどんな事をしていたのかは全く知りませんが、とにかく私の家は困窮していました。兄弟は二つ下の弟と五つ下の妹が居ましたし、生活はかつかつだったと思いますよ。
そんな生活でしたので、私はクリスマスというもの自体を知らなかったのですよ。知ったのは小学校に上がってからです。小学生になれば、十二月も近くなるとクリスマスの話題で持ちきりでしょう?
私には当時から友達が居なかったので、大声で話している同級生の話に耳を傾けながら本を読んでいました。初めなんかは「クリスマス」っていう新しい単語の意味がわからなかったのですが、毎日毎日聞いてると段々わかってきたのですよ。
欲しいおもちゃやなんかを「サンタさん」からもらえるイベントなんだって。小学一年生はキリスト教系の幼稚園に行っていた子を除いては、大抵の子がクリスマスの由来など知りません。だから、私も単純にサンタさんからプレゼントがもらえるイベントなんだと理解したわけです。
サンタの事情聴取 吾妻志記 @adumashiki
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