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 私のタイプは、優しくて可愛らしい人。でも顔立ちは美人系が好きだし、身体も出るところが出てる方が好き。


 男の人だったら、たくましい人がいい。逆境とか世間の波とかにも果敢に立ち向かって、私の手を引いてくれるような人。


 そして、ふと思う。


 私はもう恋をできないのではないか?


 ここは孤島で、人魚さんが私を留置する場所に選ぶくらいだから人が来ることはないのだろう。私はこの先、下半身を失う予定だ。もしかしたら、「脚は特に高い」と言うのだからその他の部位も人魚さんの財産になるのかもしれない。


 こんな事になるのなら、ビーチで肌面積の多い美男美女を眺めるなどという悠長なことはせずに、ナンパでもしていれば良かったかもしれない。


 なんだか腹が立ってきた。


 人魚さんも人魚さんだ。私を助けてくれた事には感謝しているけど、こんな何もない島に閉じ込めて「脚が治ったら売り物にするから」だなんて、孤児を奴隷として躾しているようなものだ。私の人生の青春をどうしてくれるのか。社会人になるまであと数年の今の時期に恋人を作るという人生設計が台無しだ。代わりに人魚さんが恋人になってくれるとでも言うのか。


 ……人魚さんが恋人?


 馬鹿らしい。私は何を考えているのだろう。まだまだ日は高いが、もう寝よう。人魚さんが来る夜に備えよう。横になって、まぶたを閉じる。


 人魚さん、どんな人がタイプなんだろう。


 私の事、顔がいいって言ってくれたっけ。

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