エピソード2-18 ヨドの真意
試合が終わり、エドガーとジュドーは2階にある観覧席へと転移ゲートを使って移動することになった。ブゥンと音をたてて転移ゲートをくぐる二人。
観覧席に着いて早々、エドガーが口を開いた。
「で、結果はどうなんすか?」
「何言ってやがる、勝っただろうが」
リーゼンベルクは、どすんと音をたてて席に座った。
「
「あァ、そっちか。
それなら一緒に確認しようと思ってまだあけてねぇなァ。アン、ペーパーナイフと手紙を俺によこしな」
リーゼンベルクの後ろで控えていた泣きぼくろが印象的なメイドが、スカートのポケットからペーパーナイフをとりだし、手に持っていた手紙と一緒にリーゼンベルクへと手渡した。
リーゼンベルクはそれを受けとると手紙の封をあけ、ペーパーナイフを泣きぼくろが印象的なメイドに返した。
「まァ、結果をみずともわかるってぇもんだがな、その落ち着きぶりをみてると。
勝ったヤツの余裕ってェものが隠しきれてねぇもんな、ヨド殿よォ」
隣に座っているヨドをみて、ニヤリと笑いながら封筒から紙を取り出すリーゼンベルク。
ヨドはリーゼンベルクに微笑んだ。
「全ては青の王子の悲願のためだ。否定はしない。私の予知能力が証明されることで無敗のリーゼンベルクが味方になる足掛かりとなるなら、喜んで協力しょう」
そう言うヨドの膝にルクソニアが飛び付き、上目使いになって言った。
「わたしも協力するわ、ヨド!
だって青の王子様は戦争のない世界を作ろうとしているのでしょう?」
ヨドは少し困ったように微笑むと、こう返した。
「そうとも言えるし、そうじゃないとも言える。
青の王子が目指しているのは、身分の差がない平等な世界の構築だ。魔力が微量だったり、使えなかったとしても、一個人としてまっとうな生活がおくれる日常を築きたいと、青の王子は考えている。
その延長線上に、戦争のない世界の構築が入ってくるだけだ」
「どういうこと?」
ルクソニアは頭に?マークを浮かべてヨドに聞いた。
「戦争のない世界を構築することが最終目標ではないと言うことだ、ルクソニア嬢。それはあくまでも通過点にすぎない」
「通過点……。
青の王子様は凄いのね、皆そこを最終目標にしているのに、さらにその先の事も考えているなんて!」
エドガーがそこに割って入る。
「お嬢様、それ全部
それにジュドーが乗っかった。
「そうだぜ、ご令嬢。
戦争を終わらせるだけでも大変なのに、そのうえ身分差の
ルクソニアはぷくーっと頬を膨らませてそっぽを向いた。
「それは二人とも、そこまで真剣に考えてないからよ、未来のことを。ヨドの言う世界が実現不可能だって最初から決めつけて、どうすれば実現できるか真剣に考えたことがないから言えるんだわ!」
それをみたエドガーとジュドーは苦笑いをした。
「そんなにヨドさんがいいんすか?
お嬢様。
実際問題、戦争がなくなって平和になったあと、身分差の撤廃をするとなるとあちこちで反発が起こるっすよ。王族、貴族の扱いも変わってしまうだろうし、国が混乱しかねません。
現実的じゃないんすよ、理想的ではあるんすけど」
「でも、青の王子様ならやってくれるはずよ!
不可能だって言われてた、無血で獣人の国との戦争を停戦させた人なのよ。
きっと考えがあって動いているはず。
私はそれに賭けたいのよ!」
「そんな博打みたいなこと、お嬢様にはさせられないっすよ」
「そうだぜ、ご令嬢。
若いうちから堅実に、だ。
そもそも戦争を終結させるのが大変なんだ。さらにその上をいくなんてのは欲張りな話だぜ?
エドガー殿が言った通り、国が混乱してしまうだけだ」
「青の王子様が王様になればきっとそんな混乱もなくなるわ!
未来が見えるヨドだって仲間についているんだし、そうならない未来が見えているから協力しているんじゃないかしら!」
エドガーははあーと深いため息をこぼして、頭をガシガシかくと言った。
「それ出されるとなおさら胡散臭いんすよねえ。旦那様、予言の手紙には何て書いてます?」
手紙の中身を吟味していたリーゼンベルクが、無言でエドガーに持っていた手紙を手渡した。
頭を付き合わせて、エドガーとジュドーが中身を読む。
書いてある内容は実にシンプルで、無駄のない図解だった。
そしてその図解には注訳がついており、正確にエドガーの動きが書かれている。
「これは……キモいっすね!」
「気持ち悪いなんてもんじゃねぇよ、エドガー殿。
「ヨドの予言が当たったの?」
ルクソニアがヨドの膝から跳ね起きて聞いた。エドガーもジュドーも顔色が悪いまま、ルクソニアに予言の手紙を渡す。
それを読んだルクソニアは驚いた。
「凄いわ、ヨド!
本当に未来が見えるのね!
起こったことが全部書いてあるわ!」
キラキラした目でヨドを見上げるルクソニアに、ヨドは言った。
「エドガー殿が勝つには、限られた方法を使うしかない。私はそれを記したまでだ。なにも驚くことはない。賭けに勝っただけのことだ」
「どういうことだ?」
ルクソニアとジュドーの頭に?マークが浮かんだ。それをみたエドガーが深いため息の後、頭をガシガシかきながら解説を始める。
「勝敗は五分の確率。なら青の陣営に有利になる未来ーー俺が勝つ結果を書いておいて、それに賭けてたってことっすよね。
負けたらどっちみち、俺らは無条件で赤の陣営に入ることになるんだし、予言が外れて信用を失ったとしても、もう仲間にはなれないっすから痛くはないっすもんね。
あとは俺が勝つ条件を絞りこんで、それっぽく図解で書いておいて、封をして渡せば下準備は完了っす。
その後はその結果になるように、予言だなんだといって勝利条件に当てはまるように俺らを言葉巧みに誘導すればいいだけのことっす。青の王子が転移魔法を使える
ヨドはふんわりと微笑むと、エドガーに言った。
「ナイスアシストだっただろう?」
「それはそうっすけど。
今回の件についてはそれがあるから、ヨドさんが100%未来を予知できるって証明にはなってないっすよね?」
ヨドは少し笑いながら返した。
「これは手厳しいな」
ジュドーが言った。
「でもいくら勝利条件を絞りこむっつっても、限度があるぜ。
ここまで正確に予想だけで当てられないんじゃないのか?」
「それは……そうっすね。ヨドさんが俺の行動パターンを把握してないと難しい事は事実っす。でも、予言の力がなくても不可能じゃない方法がある以上、ヨドさんの予言の力を認めるわけにはいかないっすよ」
ヨドは困ったように微笑むと、言った。
「どうしたら信用してくれるだろうか」
「近い将来、お嬢様の身に危険が及ぶと、前言ってたっすよね?
具体的にどんなことが起こるのか、今ここで話してくれたら少しは信用しても良いっすよ。ね、旦那様」
エドガーは無言で状況を見守っていたリーゼンベルクに話をふる。
「そうさぁなあ。もし仮にそれが本当なら、こっちも対策を練らなけりゃあいけない。話してくれるかァ、ヨド殿」
皆の視線がヨドへと集まる。ヨドは静かに口を開いた。
「それはできない。」
少しイライラした様子でエドガーは言った。
「どうしてっすか?
なにかやましいことでもなけりゃ、言えるっしょ。それともやましいことがあるから言えないんすかァ?」
ヨドはまっすぐエドガーを見て言った。
「もしここでそれを言ってしまったら、未来が大幅に変わってしまう可能性がある。
その結果、ルクソニア嬢の未来が破滅に向かってしまう可能性だってある。
それを阻止するためにも、私からは、今はまだなにも言えないだろう」
エドガーは頭をガシガシかきながら言った。
「それは、自分達に都合が良い未来を引き寄せられるから言えないんじゃないっすか?」
ヨドは静かに瞳を伏せて言った。
「否定はしない。これも駆け引きだ」
「否定はしないって……よく言えたっすね」
エドガーはヨドを睨んだ。
「それがどういう意味を持つか、知らないわけないっすよね?」
その言葉を合図にヨドを囲むようにして立つ、リーゼンベルク、泣きぼくろが印象的なメイド、エドガーの3人。リーゼンベルクは懐から鉄扇を取りだしヨドの首もとへ、泣きぼくろが印象的なメイドはペーパーナイフを背後からこめかみへ、エドガーはヨドの足元へ転移魔方陣を展開している。
「牢屋にぶちこまれたくなければ、企んでることここで全部話してもらうっすよ、ヨドさん。
あんた、信用ならないんで」
その様子をルクソニアはヨドの膝にしがみついて見ていたが、現状が把握できると、慌ててヨドの前に庇うように立ち、叫んだ。
「やめて!
ヨドは私の初めてのお友だちなのよ……!
お願いだからひどいことしないで!」
ポロポロと泣き出すルクソニアに、エドガーが冷めた口調で言った。
「酷いことするのかどうなのかは、ヨドさんの行動次第っすよ。
そもそも、そのお友達というのも怪しさしかないっすからねぇ。
今ここで身の潔白を証明できないなら、牢屋に入ってもらうしかないっすよ」
「どうしてヨドが牢屋に入らないといけないの? なにも悪いことはしてないじゃない!」
「これから悪いことをしようとしているのかもしれないんすよ、お嬢様。
お嬢様の身の安全と自身の利益を天秤にかけて利益の方をとるような輩を、ホイホイ仲間にするわけにはいかないっす」
ヨドは静かに微笑むと言った。
「両方とるという選択肢もあるだろう?」
それを聞き、エドガーの視線が鋭くなる。
「さっきから絵空事ばかり言うっすねぇ。
俺らの中で、グレーからほぼ黒になってんの、わかってるんすか?」
ヨドは困ったように微笑んだ。
「今はまだ、時期ではない。
ーーいいだろう。牢にでもなんにでもぶちこめばいい。私は来るべき時に尽力するまでだ」
それを聞いたルクソニアが振り向き、ヨドにしがみついて言った。
「ヨド! 牢屋に入れられてもいいなんていっちゃダメよ! わたし、悲しいわ!」
ポロポロと涙を流すルクソニアに、ヨドが涙をぬぐおうと手を差し出す。
その瞬間、ヨドのこみかみにペーパーナイフが食い込んだ。
「ヨド様、なにか申し開きはありませんの?」
ヨドのこめかみから一筋の血が流れる。
「アン、やめて!
ヨドを傷つけないで!」
見つめ合う、アンとルクソニア。アンは、淡々とした口調で言った。
「お嬢様。
これ以上この方を傷つけたくないのなら、大人しくエドガー先生の元へ行ってくださいませんか?」
にっこりと微笑む、メイドのアン。みるみる顔が青ざめていくルクソニア。
「エドガーの元へいったら、みんな武器をおさめてくれるの?」
「それはヨド様の行動次第ですわ。
ねえ、旦那様」
ちらりとリーゼンベルクに視線を送るアン。それを横目で受けたリーゼンベルクは、くっくと笑いながら言った。
「そうさなァ。手を組むにしても、信頼関係がないといけない。その点、この男は素性が知れないときてる。
ルクソニア、お前の友達ってだけじゃあ、弱いんだよ。信頼に値するにはなァ」
「じゃあどうすれば良いの?
どうしてみんなヨドの話を聞いてくれないの?」
ポロポロと涙を流しながらヨドにしがみつくルクソニアに、エドガーが言った。
「タイムオーバーっす。お嬢様」
後ろからルクソニアを抱えてヨドから引き離すエドガー。ルクソニアはそれに対して手足をばたつかせて、必死に抵抗する。
「お嬢様、危ないから落ち着いてほしいっす!」
「嫌よ! 絶対に嫌!」
ルクソニアはエドガーの手をがぶりと噛み、緩んだ腕の中から逃げ出し、ヨドにしがみつくように抱きついた。
「私、絶対にここから動かないから……!
ヨドの言い分も聞いてあげてほしいのよ!」
エドガーが噛まれた手をさすりながら、言った。
「こーなるとお嬢様はテコでも動かないんすよねぇ。旦那様、どうするっすか?」
エドガーはルクソニアからリーゼンベルクへ視線を移した。リーゼンベルクは静かに口を開いた。
「ルクソニアよォ、なぜそんなにその男にこだわる」
ルクソニアを値踏みするような目付きで見る、リーゼンベルク。
「お友達ってぇ話だけなら、聞かねぇぞ。
青の王子の信者になってるみてぇだが、ジュドー殿がいうとおり、うしろ暗い噂もある。それらに目ぇつぶって受け入れるほど、うちはお人好しじゃあないんだぜェ?
これはお前を守るためにも必要なことだ」
ルクソニアはヨドから身を起こし、リーゼンベルクの目をまっすぐに見て言った。
「ヨドは私に道を示してくれたわ。このお城の中にいたら見つけられなかった新たな道よ。わたしだってエドガーやパパたちを守りたいと思っているの。そのための道を教えてくれたのがヨドなのよ。だからわたしはヨドを信じたい。絵空事を現実に変える力が青の陣営にはあるって信じたいのよ」
「それがお前さんの答えか」
ルクソニアはリーゼンベルクから目をそらさずに言った。
「ええ、そうよ! わたし欲張りなの!」
にっこり笑うルクソニアに、はあーっと大きなため息をつくエドガー。噛まれた方と反対の手で、ガシガシ頭をかく。
「はーあ、もう! わかったっすよ、お嬢様。慣れないことはするもんじゃないっすねぇ」
エドガーはヨドの足元に展開していた転移魔方陣を消した。
「エドガー先生!? どうして!」
アンがエドガーに非難の声をあげる。
「どうしてって、これ以上脅しても何もでてきやしなさそうだったんで、聞き出すのを諦めたんすよ。牢屋へ入れても変わらなさそうだし、ヨドさん」
「でもだからって、このまま何も聞き出せないままホイホイ内に入れても危険なだけですわ。わかっていてその発言なんですか?」
キッとエドガーを睨むアン。
「そうおっかない顔しないでほしいっすよ、アンさん。押してダメなら引いてみろって話っすよ」
「どういう事ですか……?」
アンの瞳が揺れる。
「その前に
リーゼンベルクが、エドガーを睨み付けて言った。
「俺に命令するとはいい度胸だな、エドガーよ。ーー策はあるんだろうな?」
「無ければこんなことしませんて。お嬢様、こちらへ」
ルクソニアに手を差し伸べるエドガー。その手をとらず、ヨドにしがみつくルクソニア。
「嫌よ、罠かもしれないもの!」
「罠って。お嬢様、日頃俺のことどう思ってるんすか、それ」
ルクソニアはふんすと鼻息荒く言い切った。
「罠だからいかないのよ!」
「罠だって確定された!」
白目を向くエドガーに、ルクソニアは言った。
「皆がヨドの話を聞く体制が整うまで、わたし、このままでいるから!」
それを聞き、リーゼンベルクとアンはお互いに顔を見合わせ頷くと、ヨドに向けていた武器をおさめた。
「ほら、もう安全っすよ。こっちへおいで」
腕を広げて待ち構えるエドガーに、そっぽを向くルクソニア。
「行かないわよ。そっちに行った瞬間に、怖いことしようとするのは目に見えてるもの」
エドガーは眉毛をハの字にして言った。
「それは困ったっすねぇ。せっかく収まった武器が、また火を吹くかもしれないっすよ?」
リーゼンベルクとアンが、再び武器を構えようとする。
「そんなことさせないんだから!」
ルクソニアはよじよじとヨドの膝に股がり、ぎゅっと体を抱き締めた。
「ルクソニア嬢、それでは体が動かせないんだが」
ヨドが困ったように言う。
「ダメよ、ヨド。わたしがあなたを守るんだから!
こうしておけば、アンたちは手を出せないでしょう?」
どや顔で言うルクソニア。
「そんなに心配しなくても、私がひどい目に遭う未来は来ないさ。安心してほしい」
「それも予言なの?」
「出た、眉唾。」
目をぱちぱちして聞くルクソニアと、眉間にシワを寄せて言うエドガー。
「本当に未来が見えてるなら、どうして疑われるような言動をするんすか?
もっとスムーズにいく方法だってあるだろうに」
ヨドは困ったような笑みを浮かべた。
「確かにそう言われても仕方がない。
しかし私は、ルクソニア嬢の前では出来るだけ嘘をつきたくはないんだ」
「その言葉が本当なら、自分は怪しいですって言ってるようなもんなんすけど」
「手厳しいな、エドガー殿は。」
それを聞き、エドガーは頭をガシガシかきながらため息をついた。
「どうしても言えないんすか?
お嬢様が危険な目に遭うことを、事前に知ることがそんなに危険なことなんすか?」
「最悪、ルクソニア嬢を助け出すことが叶わず、離ればなれのまま捕虜生活を余儀なくされることになるかもしれない。
私としても、それはあまりにふびんだから避けたい未来だ」
「じゃあ質問の仕方を変えるっすよ。
何かアドバイス的なものとかはないんすか?
未来が変わらない程度の内容で」
ヨドは静かに目を伏せた後、しばらく無言になった。
「ヨド……?」
心配そうにヨドの顔を覗くルクソニア。ヨドは静かに目を開くと、言った。
「いざというときに備えて、ルクソニア嬢は魔法の鍛錬を積むといいだろう」
エドガーが意外そうな顔をした。
「魔法っすか……?
握りこぶし程度のバリアしかはれないお嬢様に鍛練……っすか?
そこまで切迫するような事態になるんすか、ヨドさん」
周囲に緊張が走る。
「仮にそれを信じたとして。
お嬢様にできることと言えば、相手の腹部にバリアをはって転けさせることぐらいしかできないっすよ、握りこぶし大のバリアしかはれないんすから」
「それは後々、ルクソニア嬢がうまく工夫するだろう。まずはその手始めとして、種を巻くのが先決だ。いずれそれが花開くだろう」
「花開くって……」
エドガーが呆れているなか、ルクソニアは期待に満ち満ちた目でヨドを見た。
「ねえヨド。
それってわたし、すごい魔法が使えるようになるってこと?」
キラキラした目でヨドの言葉を待つ、ルクソニア。
「それはルクソニア嬢自身にもよるだろう。諦めず学ぶことをやめなければ、いずれ道は開かれてくるはずだ。
心が折れそうな時ほど、今日私が言ったことを思い出すことだ。そうすればきっと、最悪な未来からは脱却できるだろう」
「わかったわ!
わたし、魔法の鍛練頑張ってみる!」
そういうとルクソニアは勢いよく後ろを振りむき、エドガーに言った。
「エドガー!
早速今日から、魔法について教えてちょうだい!」
エドガーはため息をつくと言った。
「今日からっすかー……」
渋るエドガーに、ヨドが援護射撃をした。
「善は急げと言うだろう?
早ければ早いほどいいはずだ」
エドガーは頭をガシガシかきながら、言った。
「あーもー、わかったすよ!
念のため、念のために少しだけ稽古をつけてあげるっすよ、お嬢様。
って言っても、教えられることは基礎的なことしかないっすけど、それでもいいなら」
ルクソニアは大きくうなずくと言った。
「それでいいわ!
わたし、頑張って魔法の勉強をする!」
こうしてルクソニアは魔法の鍛練をすることになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます