第4話 ラノベを読む僕を慕う妹
僕は自室のベッドに横になって、ラノベ「妹だけいればいい」の10巻を読んでいる。
その隣で僕の妹が3巻を読んでいる。
「お兄さま、このラノベは尊いです! 現実世界でも兄には妹だけいればいいと思います!」
「そうかな? これは虚構だから面白いんじゃないかな」
「いいえ、現実でも妹だけいればいいのです。お兄さま、わたしだけを愛してください!」
「どうしようかな〜っ」
僕はモテモテ気分を楽しんでいる。本当は鳥子だけを愛してもいいかな、と思い始めているのだが、焦らすのが楽しい。
「こうしてやります!」
鳥子が僕を抱きしめた。
うわっ、こいつ、軽く一線を越えて来やがった。
でも僕はうろたえない。女の子に抱きつかれたのは初めてではない。元カノは巨乳だった。それを押しつけてもらったこともある。鳥子は貧乳だ。まだ中学2年生だしな。今後に期待。
「兄妹のハグだな」
僕は抱き返した。鳥子は顔を赤らめた。
「お兄さま、わたしに抱かれて嬉しくないのですか?」
「嬉しいさ、愛する妹よ」
「軽い! 言い方が軽い! 不満です!」
「とても嬉しいよ、
「さらに軽くなった気がします。わたしのお兄さまがチャラい!」
僕はハグを解いて、ラノベの続きを読んだ。
鳥子も読書を再開した。
いつのまにか僕は寝落ちしていた。
目が覚めたとき、全裸になった妹が立っているのが見えた。
「起きてしまいましたか、お兄さま。寝ている間にエッチなことをしようと思っていたのに」
「や、やめろ、鳥子! いくらなんでも、その一線を越えるのはマズい!」
「インセスト・タブーとやらを破ってやります!」
僕は起き上がった。
妹に強引に服を着せようとした。鳥子は抵抗した。
「お兄さま、裸になってください!」
「鳥子、服を着ろ!」
「嫌です! エッチしましょう!」
「だめだ! 近親相姦はできない!」
「愛はすべてを超えるのです。至上の価値です!」
「だめだーっ!」
僕は鳥子を突き飛ばした。彼女はぶっ倒れた。しかしその弾みで、僕も倒れてしまった。ベッドの角が僕の頭にガン!とぶつかった。
猛烈に痛い。
目の前が暗くなっていった。
僕は気を失ってしまった。
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