第二話

 日高ひだか早速さっそく、スマホで『数字の歌』をググった。そして答えた。

「なるほどなー、『数字の歌』かー。分かったでー。

 まずは、問一や。2の歌詞かしは、『数字の2は、なーに? お池のガチョウ』ってあるから、ガチョウや!


 次に、問二。3の歌詞は、『数字の3は、なーに? 赤ちゃんの、お耳』ってあるから、赤ちゃんや!


 最後に問三。10の歌詞は、『数字の10は、なーに? 煙突えんとつと、お月様』ってあるから、夜や! どうや?!」


 すると鹿島かしまは、冷静に答えた。

「ああ、全部、正解だ」


 日高は、無邪気に喜んだ。

「よっしゃー! っていうか、ええ問題やなあ。さすが鹿島や! さ、ワイも十問出来たから、あとはノートパソコンで清書せいしょやな。って、お? もう昼か? 昼飯にしよ。久しぶりに外で食おうかな。ホテルの食事が続いて、きてきたからな。よう、鹿島! 昼飯、おごったるで。何が食いたい?」


 鹿島は、少し考えてから答えた。

「えーと、寿司。回るやつ」

「何や、回転寿司かいな! まあ、ええわ。それで良いちゅんなら、それでええ。さ、行こか!」


 二人は部屋を出てエレベーターに乗り一階で降りて、ホテルを出た。そしてスマホで探して、近くにある回転寿司に向かった。


「あー、この仕事のメドがついて良かったー。ま、夜までには出来るやろ。もう締め切りギリギリやから、さっさとこの仕事、終わらそ。うん? 誰や、あれ?」


 見ると、不審ふしんな二人組がいた。一人は長身で長髪で、もう一人は背が低くてビデオカメラを回していた。長身で長髪の男が、えた。

「ラッキー、鹿島直哉と日高洋之助だ! 有名な発想者はっそうしゃが、二人もいやがる。俺が出した問題を、解けないところをビデオカメラでってユーチューブにアップすれば、俺も有名人だぜ! おい、しっかりと、その瞬間を撮っておけよ!」


 背の低い男が、威勢いせいよく答えた。

「はいよ!」

「じゃあ、問題だ! 四から二。二から三。これ、なーんだ?」


 日高は、ため息をついた。

「はあ。何や、こいつら?」


 鹿島は、冷静に答えた。

「有名な発想者に出題して、答えられなかったら自分が勝ったってさわぐ奴らだよ」

「あー、何か聞いたことあるなー」


 そして日高は、問題を出した男に言った。

「しかし、ひどいな……」

「な、何がだよ?!」

「さっき出した問題や!」

「何だと?!」


 日高は、言い切った。

「簡単すぎて、話にならんわ」


 男は、キレた。

「だったら、答えてみろ!」

「はあ……。四から二。二から三。!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る