第8話 先輩・後輩のお出かけ2
アニメショップへと入り、二~三十分程度が過ぎたころ、僕は売られているものの多さに只々驚いていた。
僕はアニメショップに来るまではアニメショップはグッズや円盤は売っているがアニメの原作となる小説(主にラノベ)や漫画は売っていないのだろうと考えていた。
だが実際には、グッズや円盤は勿論のこと、アニメの原作である小説や漫画、アニメになっていない小説や漫画など、書店に負けないくらいの数が売られていたのだ。
全部のアニメショップがここのように商品を大規模展開しているわけではないだろうが、それでも似たような展開のされ方である可能性が高い。
何となくアニメショップは敷居が高いイメージがあったが、全然そんなことはなさそうだし、他のアニメショップも都合がつけば行ってみたい。
「あ、先輩」
そんな風に考えを巡らせていると前から歩いてきた式部さんがそう声を掛けてきた。
因みに、一緒にショップに入ったはずの式部さんが前から歩いてきたのは、僕達の好きな分野がそれぞれ違うからということでショップに入ってすぐに別行動をとることにしたからであって断じて仲が悪いからというわけではない。
「すごいですね、このアニメショップ」
「うん、すごいね。僕、アニメショップって何となく敷居が高くて筒谷みたいなオタクしか行けないのかなって考えてたけど、ここにきて考えが変わっちゃったし」
「別に、筒谷さんみたいなヘビーなオタクだけがアニメショップに行くってわけじゃないですよ。私もたまに行きますし……まあ、これほどの規模の大きいところは初めてですけど……」
「規模はともかくとして、他のアニメショップもここみたいな感じで展開されてるの?」
「まあ、概ねはそうですね。グッズや円盤だけじゃなくって、ライトノベルや漫画も普通においてあります」
「へえ~そうなんだ」
式部さんの話を聞く限り、他のアニメショップも似たような感じらしい。
「それで、その、先輩にお願いがあるんですけど……」
「お願い?」
「先輩さえよかったらなんですけど……今からでも一緒にアニメショップ巡りしませんか?」
「……いいけど、どうして?」
「一人でお店を見て回っているうちに、折角先輩たちと一緒に来たのならいつもみたいに作品について話しながらお店を見て回ったら楽しんじゃないかなって思って……駄目ですか?」
式部さんが上目遣いで僕の方を見ながら聞いてきたので僕は
「いいよ、一緒に回ろう」
と、簡単に返事を返した。
因みに筒谷は自分一人のワールドに入っているようなのでそっとしておこうということになった。
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