シーン 5
相変わらず、ブロック塀の上で魚の骨をむさぼっていた。電柱の上には、先ほどから、口先に赤い実のようなものを咥えて黒カラがいる。するとその実を道路の上に落とした。何台か車が通るのを見届けてから、その割れた身をついばんでる。再びカァーといって電柱に戻っていった。こっちを見下しているような視線だ。何だよと思いながら、テリトリーの巡回に出掛けることにした。しばらくして戻ってくると、元居た場所で黒カラがブロックをつついていた。俺に気づくとカァーといって電柱に戻っていった。連携か・・・
暑い日が続いたけど、すずりチヤンが朝から居ることが多くなった。時たま、深い赤の上下の服で出てゆく。家にいるときは、俺もすずりチャンの部屋で過ごすことが多い。彼女は短パンに袖のないシャツでいつも机に向かっている。いつも勉強している。窓からは生暖かい風が入ってくる。かけるの方はだいたいテレビに向かってガチャガチャやっている。
すずりチャンは髪の毛を後ろでまとめて馬のシッポみたいにまっすぐに長くたらしている。椅子に座っていると背中の方でゆらゆらすることがあり、かまって欲しくて、俺がそれをめがけて飛びついたり遊び始めると、不愉快に思っているのかどちらかわからないが、しばらくはどっちとも楽しんだりする。
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