第8話:虐げられる人々


 「悪い子わ”るいごはいねげぇかぁ~?」


 

 逃げ惑う村人。

 魔王軍網タイツ軍団の連中にしいたげられる人々。


 しかし一筋の光明が!!


 

 「【神激】ごほうび!」


 

 どがんっ!

 ぷちっ!



 天からタイツを穿いた巨大な脚が魔王軍を踏み潰す。




 「必殺、悩殺チラ見せ斬りぃっ!!」



 すびすばんっ!


 スカートをひらめかせ、絶対領域の更に上の白いものもっこりを見せ相手の魔王軍を硬直させ戦意消失剣士はそれらを切り伏せる。




 「天誅マッスル天誅マッスル天誅マッスル天誅マッスル天誅マッスルぅっ!!」



 どがががっがぁっ!



 まるでブルドーザーの様に筋肉のガチムチパワーで魔王軍をなぎ倒す修道僧。




 「はぁっ!」



 漸っ!



 「ぐ、ぐわぁああぁぁ、こん、こんな連中変態どもに我が魔王軍がやられるとはあぁ、魔王様ばんざーぃいっ!」



 ばた、ちゅぅどぉおおぉぉぉんッ!!



 チャキッ!決めポーズ




 「えーと、どなたか存じませんが…… その、 あ、ありがとうございます……」


 「人と話をするときはちゃんと目を見なさいよ……」



 魔王軍の幹部を倒し、お約束の爆発をさせてから村人の偉いさんと話をするけどさっきからあたしを見ない様に顔を背けている。




 「お母さーん、あのお姉ちゃん男物の下着パンツを穿いてるぅ~」


 「しっ! 見るんじゃありません!!」



 「くっ!」


 

 思わず拳を握ってしまうあたし。




 「それで、魔王軍は何時からこの村を襲っておるんじゃ?」


 「すいません、それ以上近付かないでください……」



 キャットウォークでにじり寄る魔導士にドン引きの村のお偉いさん。



 「とは言え、北に向かえば向かう程魔王軍が多くなっているな」


 「ひっ!」



 スカートから太ももをちらつかせながら絶対領域もっこりパンツが見えそうになっている剣士もやって来る。



 「さあ、心置きなく我らにその悩み話すがよい」



 がしっ!



 「うわぁああぁぁっ! 汗臭いぃっ!!」



 ガシッと修道僧にハグされ抱き着かれてこの世の終わりの様になる村の偉いさん。

 

 あ、青ざめて泡吹いて気を失ったかな?

 そして小言で「変態変態変態」とかつぶやいている。



 「むっ!? 可哀そうによほど魔王軍の網タイツ変態が怖かったのであろうな?」


 「無残なもんだよな」


 「網タイツとは邪道じゃろ? やはり普通のタイツの方がいいだろうにのぉ」


 

 「いやいや、あんたら変態のせいだ」



 あたしがそう言うと三人は首をかしげる。

 周りを見るとさっと村人たちは家の中に逃げ込む。




 あたしは大きくため息をついて魔王軍がどんどん多くなっている北の大地へと向かうしか無かったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る