第14話 2年前の夏:決別

虚ろな世界で 虚ろに生きる

私のことを 覚えていますか

変わらぬ自分に 絶望を抱く

私のことを 覚えていますか


死ぬことを目標に消費する命

絶望と悲しみと寂しさとを

ぐちゃぐちゃに塗りつぶして

真っ黒になってしまったままの

キャンバスを抱いて生きていた

悲劇のヒロインそのものを


色づき始めたこの世界で揺れ動く

私のことを見ていてくれたなら

変わりゆく自分に悩み生きる

私のことは見えていますか


未来にために重ねる1日1日

この私の姿かたちはあなたには

どんな色にみえているのですか

どんな世界が描かれていますか


あなたに見える今の私のこの姿

どうか 覚えていてください

いつか 私があなたへの恩を

失くせるように なるまでは



この想いを失くせる日がきたら

私はこの言葉たちを世界の海へ

流して 捨て去るでしょうから


2019年5月31日の私へと手向ける

2021年1月8日の私からの決別の詩

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