第12話 桜の逸話
桜の下には死体がある。いつか誰かが言い出した物語。もちろん信じちゃいない。この下に死体があるなんて想像もできないし、死体があろうがなかろうが、この桜はあまりにも綺麗だった。
夜桜は提灯に照らされて、儚く風に揺れている。
桜のようでありたい。自分の力で大きな未来を練り上げるように大きく世界を広げられるような人間でありたい。そうして最後には美しく散って死んでしまいたい。そうして死んだ肉体が土に還って栄養分になればいい。いつか酔いどれの夜空を見上げた夢追い人が、同じように思って咲き誇って、死んでいけるように。
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