第4話

寒さが厳しい母国から日本へ。

日本から英語圏のリゾートアイランドへ。


私と叔母の生き方はよく似ている。


捨てたくて捨てるんじゃない。

大事な人に連れ添って、一緒に暮らすために、苦労や努力を経験するんだ。


赤いきつねと緑のたぬき。

日本街のミニスーパーで買ってきて、叔母の家で、お湯をそそいでいる。


「これ大好きだった。荷物に入れてくれたよね。ママが毎回、楽しみにしてたの。」

叔母はわらうと、

「そうよ。馬鹿高い送料を支払って、遥か遠い異国の地まで、飛ばしていたのよ。」


支援給付食料に選抜するほど、好物なのに、どうしちゃったのよ。


母国にも日本食材を販売する店があって売られていたものの、一つ千円をまわるような値札が張り付いてて、お小遣いで購入するには、到底、無理だった。


「ショップで五百円なんて、破格だよね。」

叔母は私の方に目を見開いて、日本語のスラングでつぶやく。


「日本で食べてないの。」

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