第2話
「みやこちゃん、よく来たわね。大きくなったわ。」
ボディタッチに遠慮のない、手厚い愛情の表現方法で、顔と背中を撫でられる。
そりゃそうでしょ、グロウは自然な生育による現象摂理で、大人サイズになっただけで、さして、本人の感動を呼ぶ程のことではありません。
どこで生育されても、私は大人には、なった。
「初めまして。二度目だそうなのですが、恐ろしく昔の事で、私は覚えていないんです。今回は、無理をきいてもらって、預かりを受けてもらい、とても感謝しています。」
なるたけ丁寧な言葉で感謝を述べたはずが、叔母はキョトンとしたままだ。
「まったくわからないわ。」
大げさに両の手を広げて、お手上げのポーズで空を仰いでいた。
「いえね。みやこちゃんに会えるというので、外国語に挑戦してみたのよ。」
なるほど。
「ひとっことも、わからないわ。」
そうでしょうね。
私だって、挑戦して、勉強して、教えてもらえど、耳からすり抜けて、口からはなんも出て行かないで、立ち止まりましたもの。
英語だって、日本語だって、泣きながら、操られてる。
それでも。血のつながったもの同士の、底絆とでもいうのでしょうか。
単語を繋げた英語の様式で、互いにつたない会話をして、空港を後にしたのです。
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