第3話
結局俺は同棲について決断することができずに、問題を後回しにした。
その後も適当にゆっくりすること20分くらい。
「それじゃあ出よっか」
「そうだな」
俺たちは会計をしてからカフェを出た。きっと大学に通い始めてもここは利用する気がする。
そして俺たちが向かったのはゲーセンだった。なんとなくで寄ったのだが、思いの外互いにはしゃいでしまった。
そうして気がつくと既に6時を回っていた。
「そろそろ帰るとするか」
「うん、確かに結構はしゃいじゃったもんね。そのせいで凄く疲れたし」
「明日は俺の家に来るのか?」
「当たり前だよ。今度の二人だけの卒業旅行、考えなきゃ」
「そうだな。ていうか、気になったんだが」
「んー?何?」
「沙耶香って、友達と遊ぶ時間、取ってるのか?」
「あ」
そう言って彼女は急いでスマホを確認する。そして徐々に顔が真っ青に変わっていった。
「やばい……明日遊ぶ約束してるんだった」
「忘れちゃ駄目だろそれ」
「……今からキャンセルしちゃ駄目かな?」
「……青春しなさい」
「大学生で友達とかと遊ぶのって青春なの?」
「サークル活動とかしてたら青春なんじゃないのか?」
「でも私たちまだ大学生じゃいよ?」
「確かに。なら青春でもいいんじゃね?」
大学生でもなければ高校生でも無い、何の肩書きのない今。でも、そんなでも、俺たちの今は青春と呼んでもいいのでは無いのか?いや、もう遅い。
「やっぱ青春じゃねえや」
「だね」
青春と呼ぶにはあまりにも遅過ぎた。遅過ぎて、もうカップラーメンが伸びまくってる。そしてそのまま有耶無耶になって分解された。今の感情そんな感じ。つまり、もう俺たちは青春を謳歌できないところまで来てしまったという事だ。俺たちの中でもう青春は分解された。跡形もなく。
「青春とは」
「私たちが知らないもの全て」
「それは大袈裟すぎるだろ」
「でもあながち間違いでは無いでしょう?」
「間違いすぎるだろうが」
「えーっ」
「えーじゃねえよ」
今の俺たちに足りないものは経験だった。学生時代の青春という、文化的生活を送っている人ならば誰もが通るその道を、俺たちは外力によって無理矢理その道を外されてしまった。
お陰で学生時代に学ぶはずだったいろんな経験、感情諸々が俺たちには欠落している。欠落し過ぎている。ならば、大学で取り戻せばいいだろうという輩もいるかもしれない。それは大きな間違いだとここで言っておこう。
中学、高校、大学と進んでいく中で、この三つの時期において経験したことが全く同じだったことがあっただろうか。いいや、全く違かった筈だ。
まず、クラスメイトが違うし、学校の場所も違う。これらは当たり前だが、関わる人も人それぞれ、バリエーション豊かだ。
そういう人たちと触れ合っていく中で色んな考えを持っている事を知る。それは非常に大事な経験だ。しかし愚かにも、それを知らずに自分の考えこそ正しいと思っている輩が少なからずいるのが現状である。
故にそうならない為にも、色んな考えを知る必要がある。色んな性格を持つ人たちと関わる必要がある。多くの助けを得られる友人関係を築く必要がある。学校とは、そういうところだと、俺は思う。
だからこそ、高校での経験も俺たち若者にとって必要不可欠というわけだ。しかし悲しいかな、俺の交友関係は片手で数えられるくらいしかいない。
……終わった。
「大学で友達めっちゃ作ろ」
「……そうね」
高校での失敗は、信頼できる友達が少なかった事だ。そのせいであのようなことが起きてしまった。もっと頼れる人が、俺たちには必要だ。
頑張ろう。コミュ障がちだけど。というかコミュ障だけど。
____________________________________
あとがき
いつもiPadにワイヤレスキーボードを接続してこれを書いてるんですけど、高3になる直前に壊れて以降買い替えてなくて、書きづらくなってたんですよね。スマホだと書いてる時あんまりいい内容が思いつかなくて。
んで、それと受験期って事で書く事を少し(?)だけ遠ざけていたんですけど(要はモチベがなかったんです)、最近買い替える機会がありまして。
なので、更新頻度を月2から週一に変えよっかなと思います。
まあ、受験勉強と折り合いをつけながら、やって行こうかなと。
やっぱりPVとか星とか欲しいじゃないですか。
なんですか文句でもあるのです───嘘ですなんでもありません。
以上、実はこう見えてしっかり勉強している(?)作者でした。
ではっ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます