第39話

 その後、学校で大きな改革があった。

 新しい校長先生は先生の一新を始めた。

 その結果半数以上の先生が退任となった。ちなみに桃萱先生は残った。というか教頭先生に進化してた。今度からは桃萱教頭先生となる。出世……で良いのか?

 更に、篠崎は退学した。今頃何をしているのか知らないが、知りたいと思わない。もうどうでも良い存在だ。今は沙耶香との時間の方が大切だ。

 また、篠崎関係で思い出したが、大月がなんか逮捕されてその後死んだらしい。死因は飢餓だそうだ。母親が逃げ、その後父親が自殺して一人になったとか。

 

 ざまぁ。


 ま、そんな屑は置いといて、今日は高校三年生になって初めての登校日だ。これほどワクワクした日は今までで一度もない。

 

 「んじゃ、行ってくるわ」


 「んー」


 妹の真穂にそう告げ、いつもより早く家を出る。

 そして歩いて数分。


 「あ、新谷くーん」


 「おう」


 俺の彼女の沙耶香との待ち合わせの場に到着する。

 そして俺たちは一緒に登校する。


 「ねえねえ、今度の日曜に映画観に行かない?」


 「ん?いいぞ。何見るんだ?」


 「えっとね───」


 それから他愛のない話をしながら学校に到着し、壁に貼ってあるクラス分けの表を確認する。

 えーっと、どこだ?


 「あっ」


 「見つけたのか?」


 「うんっ」


 そう言って指差した場所は────


 

 





 「────んあ?」


 そこで俺は目を覚ました。あれ?ああ、あれは夢か。


 「あ、起きたんだ。おはよ」


 「おはよう、どんくらい寝てた?」


 「結構寝てたよ?ほら」


 そう言って彼女が見せてきた時計には夜の8時と記されていた。


 「げっ……めっちゃ寝てんじゃん」


 「でも………夜はしっかりと起きてられるね」


 「………う、うん」


 「というか、なんの夢見てたの?」


 「ん?ああ、高校の時のだよ。高三の時の丁度クラス分けの表を見てた時の」


 「ああ、あれね………ふうん」


 「な、何だよ」


 「何でもないよ。べっつに私は気にしてませんからー」


 「めっちゃ気にしてんじゃん」


 「う〜、だって……」


 「まあ、しょうがないだろ。受験期だったし。こうやって同じ大学に入学して同棲できてるんだから良いじゃないか」


 「………まあ、そうだけど」


 俺たちが卒業した後、学校は大きく変わった。今では進学校にまで成長している。これも全て新しく就任した校長と、理事長の力故か……


 「まあ、その話はいいや。ご飯できてるけど……食べる?」


 「おう」


 そして俺は沙耶香お手製の夜ご飯を食べる。毎度毎度とても美味しい。


 「やっぱ美味いな、沙耶香の飯は」


 「毎度毎度ありがと」


 そこには和やかな空気が部屋に満ちていた。

 それから食べ終わった俺は皿を洗い、二人で一緒にテレビを見て……それから……それから……


 「ねえねえ、新谷くん……しよ?」


 「……………はい」


 本当に俺の彼女は可愛すぎる。

 この興奮はいつまで経っても治まらない気がする。

 感情を取り戻した俺は、毎日彼女にドキドキされっぱなしでいる。しかし、それが心地いい。

 きっと俺たちはこの先もずっと一緒にいるのだろう。

 俺は、俺たちはこの日々を大切に、これからも生き続ける。



 そして夜は明ける。



                                 一章完


____________________________________


 というわけで一章終わりました!

 二章からは大学生編というわけで一章とは打って変わってただただ甘い感じで書きたいなあと思っております!(きっと無理)

 推理なし!ドロドロなし!策略なし!重いのなし!それ重視で行きたいと思っております!(きっと無理)




 追記


 新作を書き始めたのでぜひ読んでください!


 『チョロイン、覚醒す〜彼女を陰から見守る僕の観察日記〜』


 https://kakuyomu.jp/works/16817330665421236123

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