第26話
篠崎の噂が流れ初めて一週間が経った。既に俺の学年では篠崎=ビッチというものが浸透していた。本当にこの学校に入ってくるやつは俺含め殆どクズだなあと感じたほどだった。この学校は良くも悪くも平均的な私立の高校だ。そして俺らの年は特に噂に流れやすい奴らが集まったようだ。こればかりはしょうがない……のか?
「にしても、凄えよな」
俺の後ろに座る幸太郎が俺にそう呟いた。
「そうだな。でもどこから広まったんだろう。篠崎もこればかりは噂を消せないだろうし」
「もう既に俺らの学年じゃあ当たり前になったもんな。神功路が考案した“作戦”ってやつだと一応筋書き通りなのか?」
「いいや、こればかりは流石に予想できなかったらしい。一体誰がやったのか……それにどうやって入手したのか。謎ばかりだなあ」
「まあ、俺たちは探偵じゃない。いくら考えたって無理だろ」
「そうだな」
篠崎は噂が流れてから二日経った頃から不登校になっている。何というか俺からしてみたら“逃げている”ように見える。もしくは何か準備をしているのか。
「篠崎がいない今がチャンスなんだろうけど……」
「今日神功路とかと会うんだろ?そん時俺も行っていいか?」
「幸太郎が?別にいいけど」
「サンキュ」
そして放課後ファミレスで待ち合わせをしていた俺たちは、神功路と花本を待っていた。ちなみに真穂は部活だ。そして待つこと10分。
「先輩、お待たせしました」
「遅くなってごめんね?」
「そんな待ってないから問題ない」
彼女たちが到着した。これで全員揃った。
「にしても驚きましたね。まさかこうなるとは……」
「なんだ。神功路の仕業じゃなかったのか」
「なんだって何ですかなんだって。しようとしてましたけど。予定では今日くらいだったんですから」
やろうとしてたんかい。聞いてなかったわ。
「あれ、言ってませんでしたっけ」
「言ってない」
「まあどうでもいいじゃないですか。それよりも今後についてですよ」
「スルーすんな。どうでも良くねえよ」
「取り敢えず、予定を前倒しする方向です」
「おい」
こいつ……なかったことにしようとしているな。もうどうでもいいや。
「元村先輩にはこのまま篠崎先輩のスパイを続けてもらうとして、次は最後の協力者を特定することを優先した方がよさそうです」
「なんでだ?」
「彼女が来なくなってから5日。既に動き始めていてもおかしくありません。そうすると、元村先輩とその協力者を動かすはずです。元村先輩から何か連絡はありませんか?」
「いいや、今のところはないな」
「ならその最後の協力者を動かすはずですね……元村先輩は最後の切り札ということでしょうか。まあ、そんなことは後で考えましょう。まずは協力者を特定することと……」
「ん?」
「前島先輩、ちょっと花本先輩と行ってほしいところがあるんですけど……まあ、言ってしまえばお使いですね。買ってきて欲しいものがあるので、これがメモです」
そう言って渡してきたメモに書かれていたものはどれも電化製品だった。
「金は?俺お小遣い制だからあんま持ってないぞ」
「それは私が出します。これをどうぞ」
そう言って財布も渡してきた。何というか……そんなに俺を信用してもいいのか?まあ、盗むことはしないが……それでも用心がなってないだろう。
「大丈夫なのか?」
「大丈夫です。それ全財産じゃないですし。それに財布と言っても実際使ってるやつじゃないですし」
「あ、そう」
なら問題ないな。
「それじゃあ、行ってくるわ。花本、行くぞ」
「う、うん」
そう言って俺は花本を連れてファミレスを出たのだった。
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《感謝のあとがき》
なんか知らない間に☆が1000超えてますね……
PVもなんか40万超えてるし……
何これ。思ってたんと違う。やべーよ。
しかも一時期ジャンル別で一位取ってたし……凄いですね。
作者はただただ混乱しています。
本当に読んでくれている方々には感謝しかありません。
まさかこんなに読んでくれてコメントや♡、☆がもらえるとは……
ありがとうございます!
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