第21話
(神功路花蓮視点)
真穂ちゃんのお兄さんである先輩から音声データが送られてきた。聞いてみると、予想通り碌な事がなかった。そして私が予想した通り、彼女の性格はクズ。これで心置きなく彼女たちにやりたい放題好きなことが出来る。私の親友の兄弟である先輩を傷付けたんだ。あの時の真穂ちゃんは見てられなかった。
彼女とは中学からずっと友達だったから、受験期である中学3年生の時の彼女は余りにも酷かった事を知っている。見てきている。そしてそれに私の彼氏だった三上君も少し関係してたなんて私は許せなかった。
だから、私は親友の為に私ができる事をするんだ。幸い私は今回みたいな作戦みたいなものを思いつくことに長けていた。しかし、これにも穴が多すぎるのだが……適宜対応していけばいいだけだ。
三日後の休日に私は三上君が通っている高校の放送部の知り合いの元を訪ねていた。
「お久〜」
「久しぶり〜花蓮ちゃん。元気してた〜?」
彼女の名前は近藤咲夜。同じ中学に通っていた友人だ。中学校の卒業式以降、メールなどでやりとりはしていたが、実際に会うのは久々だ。
「てかありがとね、協力してくれて」
「ん〜ん、全然。三上のやつウザかったからさ〜丁度良かったよ」
何でも私と別れた後、急に態度がでかくなったらしい。それも、かなり周りが迷惑する方向で。酷い時は女子に手を出していたとか何とか。
「私は幸い手は出されていないけどさ〜、私の友達が三上にやられて怪我したって」
「大丈夫なの?」
「うん、軽いかすり傷だって〜。問題ないってさ」
「でも、通報しないの?」
「したいって思ってるらしいんだけどね……」
何でも三上が入学する前、警察沙汰になるような事が起こったらしいのだが通報しても意味なかったそうだ。碌に取り合ってもらえかったようで、それが今も引きずっているようだ。
「何とかして通報したいけど、もしバレたら……ね」
「そうだね……もっと酷くなる。それに過去の事も合わさって余計酷くなってる。先生はどうなの?」
「一応三上に怒る度に厳重注意はして、謹慎とかさせてたけど、それだけだよ〜。多分彼、成績いいから贔屓されてると思う」
まあ、彼が成績いいのは私が勉強を教えていたからだろう。クソっ、こうなるのなら教えなければ良かった。
「まあ、それはいいや。それよりも、いつやるか、だよね」
「うん、一応私の当番が水曜と金曜だから〜……」
「その日は咲夜ちゃん一人だよね?」
「うん」
「じゃあ水曜にやろっか。場所は学校でいいんだよね?」
「うん、一応入れるようにしておくから。他校の放送部との代表交流とか適当なこと言っとけば大丈夫でしょ」
「了解」
それから色々話したりしてゆっくりとした時間を彼女の家で過ごした。
最初の決戦は水曜日。
絶対成功させる。
____________________________________
1月25日 修正を入れました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます