第10話

 さて、唐突だが質問だ。

 下校中、急に自分の目の前に、


 ───久しぶり!小学校の時以来だね!覚えてる?私!花蓮だよ!


 と、自称幼馴染の女子が現れたとする。

 その時どうすればいいのか。

 俺はこうした。


「人違いです」


 そう言いながらその女子の横を通り過ぎた。

 隣を歩く幸太郎が心なしか引いてるんだが……解せぬ。


「人違いじゃない!」


 すると、自称幼馴染──花蓮は大声でこっちを向きながらそう言った。

 俺は大声につられて彼女の方を向いてしまった。


「人違い……じゃないもん!そうでしょ!!」


 三上君……誰?


「誰?その、三上君って」


「え?」









「───申し訳ございませんでした!」


 下校中の生徒たちに注目されている。原因はもちろん目の前の彼女だ。

 篠崎に振られて学校を休み、また登校を再開した次の日、俺はちょっとしたトラブルに巻き込まれていた。否、巻き込まされていた。


 幸太郎と帰っている途中、彼女───神功路花蓮に彼女の幼馴染の三上君という人と間違えられた。それだけならよかったのだが、大声で謝られたもんだから一気に注目が集まった。


 方や可愛げな女子高生、方や色々悪い噂が立っている俺。もう完全に他の人の目からしたらアウトだった。


「ま、まあいいよ。次から間違えなければいいから。それじゃ」


「待ってください!せめてお詫びをしたいのですが……」


「そういうの、いいから。それじゃ」


「ちょっ!?」


 女子からのお詫び………絶対嫌な予感しかしない。俺の経験がそう言っている。


「てか、本当に幼馴染じゃなかったんだな」


 彼女と別れて少し経って、ようやく幸太郎が喋り出した。


「ああ、俺には。覚えてない可能性は万に一つもなかったよ」


「そうか。てかよかったのか?お詫び」


「絶対嫌なことが起きるに決まってる。特に女子からだぜ!?絶対ない」


「そういやそうだったな。悪いな」


「いや、別にいいさ」


 これからはいろんなことに対して疑うと決めたんだ。特に女子に対しては。

 女子と関わるのは最小限に。でないと、また傷付く。辛い思いをする。

 気を付けなければ。





 幸太郎と途中で別れて、家に着いた俺だったが、いかんせんやる事がない。

 俺は部屋着に着替え、パソコンを開いた。

 そして1時間くらい軽くいじっていると、


「ん?」


 スマホが鳴った。電話がかかってきたようだ。見ると、そこにあったのは学校からだった。


「はあ……」


 学校からだったら出ないという選択肢はない。俺は通話ボタンを押した。


「もしもし」


『お、出た。久しぶりだな、前島』


 その声は昔の担任だった桃萱先生だった。




____________________________________


 いつも読んでくださり誠にありがとうございます。

 これで今年の更新は最後となります!

 更新頻度が二日に一回と低いにも関わらず、予想以上に見てくれている方が多くて、正直ビックリしました。本当にありがとうございます!


 それでは最後にこれだけ。




 これのジャンル変えよっかな?




 是非このことについてご意見をいただければと思います!

 それでは皆さん、良いお年をお迎えください!

 来年もよろしくお願いします!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る