第2話
「おはよ、熱大丈夫だったか?」
「ああ、今はなんともねえよ。心配かけたな」
教室に入り、最初に声をかけてくれたのは親友である宮崎幸太郎だ。彼とは中学校からの中でもあり、放課後はよく遊ぶ仲だ。
「それにしても……噂で聞いたんだけどよ、お前篠崎さんと別れたのか?」
「……情報が早いな。ああ、そうだよ。盛大に振られた」
「……大丈夫なのか?お前、去年も……」
「……この三日で気持ちの整理はついたさ……トラウマが増えたけどな」
「はあ。そんなんだと思ったよ。よし、今日帰りにボウリング行こうぜ。憂さ晴らし、大事だぞ?」
「ああ、ありがと」
それから俺たちは他愛もない世間話に花を咲かせた。主に趣味の話だが。
俺と幸太郎はよくゲームを一緒にしたりする。やれこのゲーム面白いだの、やれこのゲームはクソだの、そんな話だ。
そうヤって時間を潰していると、突然勢いよく教室のドアが開く音がしたのでそっちを向いてみると、つい最近俺を振った篠崎さんがいた。
そして俺を見つけると、近付いてきたのだ。
「新谷、ちょっと放課後話があるの。時間ある?」
「元カレの俺に話すことなんてないだろ」
「元カレって……まだ私たち別れてなんか……」
「あれを見せられて別れないなんていう方がおかしいだろ。それに今日俺放課後用事あるから無理だし。それに今お前には新しい彼氏がいるだろ?そっちに時間を割いた方がいいぜ?その彼氏さんも元カレの俺なんかと関わってほしくないだろうし」
「っ、それは……」
「この話は終わりな?用件がそれだけなら教室戻った方がいいぞ?もうすぐホームルーム始まるし」
「……っ、本当にごめんなさい。でもこれだけは信じて!私はまだあなたのことが……」
「もういいよ、そんなこと。俺は気にしてない。ただ俺に魅力がなかっただけなんだからな」
「そんなことは……!」
「もうこの話は終わりだって言ったろ。もうこれ以上俺はあんたには関わらない。その方がお互いのためだ」
「関わらないなんて言わないで……お願いだから……」
は?目の前のこいつは何言ってんだ?彼氏にバレないように俺以外の男とセッ○スしてた奴が何言ってんだ?おっと、思わず直接表現してしまったぜ。
「じゃあな。もう二度と関わることはないだろうから」
「そんな……!?」
そして丁度チャイムが鳴り、篠崎さんは教室を去っていった。
教室内は異様な空気に包まれていた。だってそうだろう、こんなトラブル普通教室内でやるもんじゃないからな。
「大丈夫か」
「ああ、不思議なことに、急に冷静になってな、対面してもトラウマが出てこなかった。今はだいぶ落ち着いてるから心配ないぜ」
「ならいいんだが……」
きっと今回の事は噂になるんだろうな。それも去年と同じように俺を悪者扱いにして。何たって、篠崎さんは容姿はいいからな。中身は花本さん同様酷いが。
はあ。やっと誤解が解き始めたところだってのに……また先生に呼び出しくらうじゃん……まあ、その時はその時で証拠を出すだけなんだけど。
高一の時の反省を生かしておいて正解だった。
俺は先生の話を聞きながら、そんなことを思ってるのだった。
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7月18日 修正入れました。
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