繋がる線と線・・・7

英たち一行はとある一軒家の近くに車を止める。

警察が来るのを待っているようだ。


「…あそこが例の家なのよね?」


麗珠がコソっと告げるとナビから肯定する言葉が入ってくる。

その答えに皆して一軒家に覗いているとその向かいの一軒家から二人の見知った顔がでてくる。

そのまま例の一軒家に入っていく。


「成田くんに有くん…。 本当に君がっ…」


まだ信じていたのか悲痛な声が運転席から聞こえる。


《そこの一軒家は丁度監視カメラの死角になっているみたい。 何があったの?》

「例の一軒家の向かいの家から成田と持田有がでてきました」

《向かいの家? それは一軒家?》

「はい」

《わかった。 ちょっと待って》


そういうと調べだしのかナビから声がしなくなる。

その数分後金髪の男が歩いてくるのが見えてくる。


「王陽から写真通り、彼が一英人だわ」

「事情は説明できているの?」

「王陽からは連絡が来てない。 だからまだ事情を知らないのかもしれないわ…」

「それって大分まずいよね」


《分かった。 その住所の持ち主は成田都なりたみやこ。 成田陰敏の祖母にあたる人物で三年前に行方不明になってる。 成田陰敏が介護をしていたみたいで向かいの土地を購入し一軒家を建てたみたい》


「行方不明ってきな臭いわね」

「あの少年に説明するのが先じゃないか?」

「それもそうね。 私が行くわ。 万が一王陽から連絡が言っていた場合、私が話した方が疑われにくいと思うの」


麗珠の意見に英は「賛成」と告げる。

そのまま顎に手をおくと、「今成田がでてきた家も見たい」といいだす。


「だがバラバラに動くのは危険だと思う」


冷静に赤沼が告げる。


「うん。 だから、私が麗珠と行く。 どっちみち成田と交渉するのは私だ。 だけど赤沼社長も一人で行動するのはよくないと思う」

「えぇ」

「だから赤沼社長は警察が来たら、先にそっちの家を見て欲しいんだ。 その後こっちにくる。 その方がきっといい結果になると思う」

「…未成年二人に任せるのは少々気が乗らないが仕方がない。 お願いするよ。 くれぐれも気を付けて」


そういうと英と麗珠は車から出ると、インターホンを鳴らそうとしている一英人に話しかける。

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