繋がる線と線・・・5
「誰かに何か言われたの…?」
愛充の態度に有が聞く。
「え!」
「だって、私疑ってないのに、嘘じゃないって、本当だって何回も言うから…、そうなのかなって」
図星だったのか愛充の目が見開かれ、そのまま小さくこくんと頷いた。
「小学生のときに、パパのことを紹介する作文を書いて発表するっていう授業があったの」
「私もあったよ」
「だよね。 それでお父さんが冒険者だって作文を書いたら、同じクラスの男子が”嘘つき”って言い始めて…。 仲の良い女の子は味方になってくれたんだけど一回広まった噂はとめられないくて…。 マサちゃんが助けてくれるまでは”嘘つきちゃん”って呼ばれてたの」
「…そうなんだ」
「勿論マサちゃんと一緒に仕返しもしたから別にどうってこともないんだけどね! でも、パパの話をするのが少しだけ苦手になっちゃって…」
「そっか。 でも私は愛充ちゃんのパパの話聞けてよかったよ。 愛充ちゃんの何にも負けない勇気はお父さん譲りなんだね」
優しい表情で優しい言葉をかけてくる有に、愛充は胸が熱くなる。
それと同時に”なんでこんないい子がこんな目に合わないといけないんだ”と怒りが湧いてくる。
”有ちゃんのために私に出来ることはないか”よくない頭で沢山考えるが、愛充には何が一番いい方法なのか分からない。
でも、そんなの関係ない。
竹刀さえあればあんな男に負けるわけがない。
そう考えた愛充はまず自分の手足を自由にする方法を考え始める。
だがその瞬間、扉がキィっと開き成田が入ってくる。
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