最終章
繋がる線と線・・・1
「もしもし、加賀刑事ですか?」
英の問いかけにノイズ越しに加賀の声が聞こえ始める。
《その声は、東雲英さんかい?》
「加賀さん愛充を助けてください」
《小鳥遊愛充さんはどこにいる?》
「分かりません。 車で逃走中だということは分かってます」
《犯人は小鳥遊愛充さんだったってことかい?》
「違います! 犯人は赤沼社長の秘書の成田という人物です。 持田有という女の子と愛充が人質になっているみたいです。…あ、いえ住所が分かりました! 場所は」
麗珠が王陽から聞いた住所を口頭で教えてくれる。
それを復唱するように電話口で伝える。
《おい池山、今言った住所に何がある?》
小さい声で聞こえにくいが事情聴取の時にいた若い男の声が聞こえてくる。
《ちょっと待ってください。 えっと…、一軒家みたいです!》
《至急迎え! 東雲さん、向かいながらで悪いが全部説明してくれるか!?》
「はい!」
英が話し始めようとしたときに一台の車が浪漫喫茶の前で止まる。
そこには赤沼の姿が。
「乗ってくれ。 飛ばすよ」
「ありがとうございます!」
英が電話をしながらお礼を言う。
いつの間にか切れている通話に麗珠は驚きつつスマホをポケットにしまい、タブレットで王陽と話し続けている。
そして車に乗るころには通話を終え、赤沼に頭を下げる。
「会社の近くにここがあってよかったよ。 すぐにこれた」
「いえ、助かります!」
「住所は?」
赤沼の問いに麗珠が口を開こうとした瞬間、車から綺麗な女性の声が聞こえてくる。
《もう分かってるよ。 案内するから、運転よろしくね》
その声に二人は驚く。
そして関心したように麗珠は「ホワイトハッカーさん相当優秀ですね」と賛辞の言葉を告げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます