捜査は足と頭で…9
葉知の言葉に池山と阿澄は目を見開く。
その中で一人、加賀だけは冷静に口を開いた。
「えぇ。 必ず」
加賀の力強い視線に葉知も同じ視線を返す。
「勿論捕まえたあとでです。 それでも大丈夫ですか?」
「勿論」
加賀のその言葉に池山はホっと息を吐く。
加賀の逮捕するという言葉がなければ復讐に手を貸すといっているようなものだ。
その言動に池山は一人焦っていたがそれが杞憂としり安心したようだ。
「ではご協力ありがとうございました」
「こちらこそ約束ありがとうございます」
「いえ。 それでは」
今度こそ本当に加賀たちは科学研究室を後にした。
「…葉知さん変なこと考えちゃダメだよ」
「変な事って?」
「…考えてないんだったらいいんだよ」
「なぁ」
「何かな?」
「例えば親友が死んだとして」
「えぇ」
「それが他殺だった」
「えぇ」
「で犯人が誰か分かったとしよう」
「…何が言いたいの?」
「殺したいって復讐したいって思うのは変な事か?」
「…!」
葉知の発言に阿澄は目を見開く。
そして視線を彷徨わせ、一度葉知と目が合うと下を向き小さく「変なことじゃないわ」と呟いた。
「だよな?」
そう言う彼女の顔を阿澄は見る事ができなかった。
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