情報収集愛充編…2
「英人先輩の根性私が叩き直してやりたいです!」
「ボクは当たり前のことをいっただけだし」
「本当なんでこんなクズト先輩と有ちゃんが付き合ってるんだが…!」
「いやー。なんでだろうなァ?」
「ム・カ・ツ・ク!」
「ハハ!やっぱ、剣道部エースのボクと小越高一番の美少女が付き合うのは必然じゃね?」
「ガルル!」
苛立ちがピークに達したのか言葉にならない声をだしながら威嚇する愛充。
その後ろから制服姿に蛇のピアスを付けた男が近づいてくる。
「それ以上愛充をいじめんな」
「
「あぁ。用があってな」
王陽が首で後ろに向けるとそこには二つ結びにした綺麗な髪をふわっと揺らしながら柱に隠れている美少女がいた。
「あ、有ちゃん!!」
そう叫びながら愛充が走り出そうとした瞬間、急な突風に襲われる。
「うわ!?髪で前がっ!?」
「…相変わらず持田さんにまっしぐらだな英人の奴」
「ック…!先越されたか!マサちゃんも有ちゃんがきてるならもっと早く言ってよ!」
「話すより先に英人が動いたんだろ?もっと鍛えろ脳筋」
「幼馴染のくせに優しくない!年上でしょ!?もっと私にも優しくしてよ!」
「なら優しくしたくなるようにしろ」
「どうやって?」
「そうだな。学校ではマサちゃんじゃなくてマサ先輩って呼べ」
「えーー!!でもマサちゃんはマサちゃんだもん!!」
「あのな。学校っていうのはだな?」
王陽が愛充に向かって説教をしようとし始めた。
その次の瞬間「ハァ!?」と大きいな声が響き渡る。
大きな声の出所はどうやら英人のようだ。
「今日は一緒に帰れないってどういうことだよ!?」
「っしぃー!先輩…!声でかいよ」
「え、何か予定でもあんの?」
「うん。愛充ちゃんとよるところがあって」
「それって今日じゃなきゃダメなの?」
「ダメですねー!」
「話に入ってくんな。女好き」
「失敬な。有ちゃんとの部活後デートの権利は私がいただきました!」
「ッチ。それってボクもついてっちゃダメなのか?」
「うーんと」
「ダメでーす」
「らしいね」
有の言葉を聴きガックリする英人を他所にご機嫌の愛充。
その後ろをやれやれと見つめる王陽。
苦笑いしながら注目される環境が心地悪いのか視線が動く有。
「愛充ィ~?」
ゆっくりと顔をあげる英人。
その表情は般若そのものだ。
「なんですかぁ~?」
英人の表情に気づいているのか気づいていないのか分からないがわざと語尾を伸ばしながら煽る。
そんな彼女に怒ったのかピキっと何かが割れたような音が英人から聞こえた。
「決着は剣道でつけよーぜェ?さっさと試合すっぞ!!このクソアマ!!!」
「やってやろーじゃねぇーですか!このクズト先輩!!!!」
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