小越高等学校…2

「…こちらが職員室になります」

「ありがとう。ちなみにどの人が小鳥遊愛充さんの担任の先生かな?」

「あ、道重みちしげ先生ですね。…えっと、失礼します。一年一組の持田有もちたあるです。道重先生いらっしゃいますでしょうか?」


持田が職員室の扉の前に置かれている看板を見ながら話し始めた。

看板には『生徒は「失礼します。〇年〇組の名前です。〇〇先生いらっしゃいますでしょうか?」と大きな声で言ってから入室するように』と書かれている。


「ちゃんとしてるな」

「そうですか?今時当たり前ですよ」

「…ジェネレーションギャップか」


持田の声に眼鏡をかけた男性の先生が近づいてくる。


「持田さんどうしたんですか?」


丁寧にそう尋ねる道重の目はずっと笑っているかのように細い。


「えっとこのお二人が道重先生に用があるらしいです。なので、その…、お連れしました」

「え?私にですか?えっと…、どのようなご用件でしょうか?」

「小鳥遊愛充さんの担任の先生で間違いありませんか?」

「小鳥遊はウチの生徒で間違いありませんが…」

「自分たち警視庁の刑事なんですが、とある事件の第一発見者として再度お話をお伺いしたくお尋ねさせていただきました」


加賀の後ろから池山が喋りながら警察手帳を見せる。


「警察!?えっと、少々お待ちください!」


道重は驚きで目を開眼させながら、職員室の奥へと急いで戻っていった。


「…事件の第一発見者…?」


その話を聞いていた持田は急いで携帯を取り出し連絡アプリを開けた。

携帯には「なんか警察来てるけど大丈夫?」という文字と「Aimi」という名前が表示されていた。

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