小越高等学校…1
少し怯えた様子で男二人の前を歩く少女は色々と考えを巡らせていた。
「…。 (うぅ…。まさか話しかけられちゃうなんて…。この人たち職員室にようがあるみたいなんだけど誰かのお父さんなのかな?それにして年齢が離れているみたいだけど…。うぅ…。よりにもよってなんで私に話しかけたの?早く案内して帰ろう!うん!そうしよう!)」
「あの、一つ聞いてもいいかな?」
「え(は、話しかけられた!?ど、ど、どうしよう…!)」
「小鳥遊愛充さんって人知ってるかい?」
「愛充ちゃん?」
「おや?お知り合いかな?」
「愛充ちゃんのお父さんですか…?」
「うーん。ちょっと違うかな?」
「…あ!じゃあスカウトですか…!?愛充ちゃん本当に凄いなぁ」
「剣道だよね?」
「はい…!新人戦で優勝しましたし、一年生なのに大会出場メンバー入りしたんですよ?本当に凄いです!…ちょっと女の子にだらしないけど」
「女の子にだらしない?」
「え?あーはい。私みたいな根暗にも声かけるぐらい女の子大好きなんです…。あ、でもとってもいい子ですよ!」
「そうなんだね」
池山は少し頭を捻りながら加賀に耳打ちをした。
「小鳥遊愛充は面食いですね」
「みたいだな」
「同じ女子高校生なのにこんなに自己評価が違うもんなんですね…」
「お前は小鳥遊よりだな」
「俺はナルシストじゃないですよ!」
二人がコソコソ話しているのを少女は不思議そうに首を傾げた。
その姿は美少女そのものだった。
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