スーツの茶髪の男…5
「それにしても小鳥遊愛充が見たっていう残り二人のスーツの茶髪男どこの誰か全然分からないですね」
「お!気づいたか」
「ん?どういうことです?」
「なんだ?気づいたんじゃないのか?」
「いや、ただ会話のネタとして話題を提供しただけでして…」
「はぁ…。それだよ。小鳥遊愛充に会いに行くのは」
「え?」
加賀は手帳を見ながら池山に説明するように話し出す。
「今のところリュウキは白だ。すると残りの二人を見つけなきゃいけない」
「はい」
「この二人の情報を提供したのは?」
「小鳥遊愛充ですね」
「だからだ。再度何か覚えてないかを聞く。ついであのホストがどこに座っていたのか変わった所はなかったかのかも聞く」
「そういうことなんですね!」
「ちょっと考えれば思いつく内容なんだからお前もちっとは考えろ」
確かにそうだなと思った池山は「すいません」と謝りながら頬をポリポリとかいた。
━公立小越高等学校
「うっわ~。何度かテレビで見ましたけど…、結構でかいですね!」
「そりゃスポーツの名門だからな。ほれ行くぞ」
「はい!」
池山は学校内の駐車場に止めるとそのまま校舎まで歩き始めた。
学生たちはそんな二人と特段気にしてはいなかった。
「あの、すいません」
「は、はい?」
「職員室の場所を聞きたいんだけど大丈夫かな?」
「職員室…。あ、えっと…。はい。こちらです」
加賀は大人しそうな女子学生に話かける。
綺麗な黒髪の二つ結びを揺らしながら前を歩く少女。
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