小鳥遊愛充の事情聴取…2

加賀は優しく丁寧に聞き始めた。


「八月一日に何か変わったことはあったかな?」

「えっと、変わったこと…」


うーん、うーんと首を捻りながら考える愛充に二人は微笑ましそうに見つめる。


「…ごめんなさい。何が変わったことなのか分からなくて…」

「ならスーツの茶髪の男性に心あたりはあるかな?」

「あ!リュウキさんのことですか?」

「リュウキさんとは?」

「私を贔屓にしてくれている旦那様ですよ!えっと、本業はホストさんだったかな?よくお店に来てくれるんですよ~!」


加賀と池山は目を合わせる。

今までにない有力な情報に捜査の進展を感じたようだ。


「そのリュウキさんは八月一日にも来てたのかい?」

「えぇ!私の数少ない出勤日でしたから!でも他にもスーツの茶髪の男性はいましたけどね~」

「「え?」」

「えっと、リュウキさん以外にもスーツの茶髪の男性がいたのかい?」

「え?あ、はい。リュウキさん入れて三人ですよ!私、人を覚えるの得意なんですよ~!特にかわいい子!」

「じゃあグレースーツに髪の毛をくくっていた人も接客したのかい?」

「それがリュウキさんですよ!」


元気に告げる彼女に加賀はメモを追加していった。


「他の二人の特徴は覚えているかな?」


加賀の質問に愛充は大きく頷き「勿論ですよ!」と話し始めた。

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