夢の話

あかりが見る夢、それは日本ではない場所。


季節はクリスマス近く、雪が降る所。

大きなクリスマスツリーがきらびやかに飾られて人通りも多い。雪がチラチラと降っている。


女の人と手を繋いで歩くのは4〜5歳くらいの男の子。

夢の中では、あかりがその男の子の目線になって歩いている。


とっても嬉しそうに、楽しそうに歩く。

わくわくしている気持ちが伝わってくる。

この女の人は、たぶん母親だろう。

あかりと同じ位の歳に見える。


二人は少し歩き、ある所で立ち止まった。

その建物は見上げるほどに大きい。


中に入ってみるとすぐに分かった。図書館だ。

天井が高く、中の空間も広い。


男の子は母親の手を引っ張り、色々な本棚を見て回る。

何度も本棚を見上げては、色とりどりの表紙に心が踊る。


二人は児童書の本棚に行き、しばらくある本を探す。

その本は赤い表紙で、表紙にはクリスマスツリーの絵が描いてある。クリスマスカラーの本。


男の子はその本を選ぶと母親に渡す。

受付で借りる手続きを済ませ、図書館を出る。


男の子と母親は手をつなぎ歩く。

男の子は、道端に少し積もった雪を取り、丸めて母親に当てて笑う。

母親も雪玉を作り、ポーンと男の子に当てる。


二人の手袋が雪でしみて指先が冷たくなった。

少し辺りが暗くなりだし、街のイルミネーションが一層光輝く。


二人は、イルミネーションでキラキラと光る大きなクリスマスツリーをいつまでも見ていた。

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