10年目の記憶

雨上がりの空

繰り返す記憶

(またこの夢だ。今まで何回見た?同じ場所、同じ人、同じことが起こる。色も景色も何もかも鮮明に見える。現実か夢か、区別が付かない位はっきりしている)


うっすら汗をかいている。梅雨が明け、いよいよ本格的な夏が近づいてきた。


あかりが同じ夢を見るようになったのは18歳の高校3年生の時。

それまでにもほとんど毎日夢を見ていたが、夢の種類は様々だった。


不思議なことに時が経つに連れて、同じ夢を見る回数が増えていった。

最初の頃は月に一回ほど。

10年経った今は、週に一回見るようになった。2日続けて見ることもあった。


あかりは夢占いで調べたり、友達に夢のことを相談したりもしたが、答えは出てこない。

(もしかしたら前世と関係があるのかもしれない…)


頻繁に同じ夢を見るようになってから、夢で見えた事をノートに書いてまとめるようにしていた。

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